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参った、眠れない。別に何をしていたというわけでも無いんだけどね。ただちょっと、羨ましくなった…なんてね。どうして彼なんだろう。どうして僕なんだろう。良くない事くらい分かってはいるつもりだ。だが生憎と僕は根性が皆無な上に思考回路が腐りきっているからね。笑えないな、いや寧ろ誰か笑ってくれ。
約束は破る為にあるもの。それが僕の信念だ。というよりも、死亡フラグばりに真理だと思うんだよ。まぁそれが僕の理念に基づいてる事を前提にした時。出来ない約束なら初めからしなければ良い、何も難しくは無い筈だ。だがそれは人間である以上絶対的に不可能であり、ならば僕の言う理念はやはり真理そのものじゃないかと唱えたくなってしまう。
仮に人が手にしたいと願ったモノがあったとして、それが運なのか実力なのかはさして気にする必要の無い事だ。在るのは手中に収めたという事実のみ。
さあ、それじゃあお前はそれを未来永劫、永遠に、潰える事の無い絶対的な感情を対象へ向けて居られるのか？否だ。――というには少しばかり語弊があるけれど、少なくとも肉体的な観点に於いては不可能だと言える。
魂という不明瞭なモノが存在し得るのかという話は良いとして、物理的に不可能だろう。

だから僕は約束事を好まないし、自分自身の事を良く理解しているからこそ安易には口にしたくは無い。相応な立場だって弁えているつもりだからね、これでも。

……ただ、ほんの少しだけ。目に見えない程の＿＿が砂と化すのを気付かない振りをし続ける事はさすがに辛いものがある。と、思う。
元来面倒事には手を着けない性分なお陰で目立った粗相は無く上手くやれていたつもりだったが、これじゃあまるで裸の王様も良い所だよ。僕が僕に言える事があるとすれば、それはただ一つだけ。それだけだよ。

さて、無駄話をしているうちにもうこんな時間だ。さすがに寝る努力でもしてみなければ…。