アイツが優しかっ、た。
優しく俺に触れる手がむず痒い。普段は其れを乞う癖に、いざとなると跳ねっ返り。傷口を舐める舌が艶かしくて目を逸らす。呆れた声色がいたたまれない。調子が狂う。捻くれ者の俺にとっちゃお前はさしずめ天敵、其の目で射殺されるのも悪くない。

果汁滴る黄金色。
口を開けて待つ様はさぞ滑稽だっただろうよ。

何処まで暴けば、気が済む？

早速のやるやる詐欺。
何も決まっちゃいねぇ。肝心のアイツも「五月からやる気出す」だとよ。

マジで轢くぞ。

笑えたけども

モテたいと思うなら媚び諂う小悪魔の面被った魔性共の猫撫で声に耳を傾けて、両方の口角を適度に持ち上げて目尻は下げ気味に。分厚い頬を優しく一撫でした後に下品な胸元にアレでも挟んでやれば良いんじゃねぇの。モテねぇと嘆くなら自分の身を堕としてみろよ。
黒髪清楚ぶった××××より汚らしい雌のが愛らしいかもしれないぜ？

―――ナンテ。あてつけ。
此れ以上お前に好意寄せる人間は要らねぇんだよ。

最低同士仲睦ましくしようぜ

何が足りない。
単純に回数か。はたまた感傷か。俺に足りないモノは何だと指折り数えてみる。
嗚呼、片手なんて直ぐ埋まっちまった。

きっと何もかもが足りなくて不完全。未完成品。
俺を組み立てる事は容易いだろう。でも残念。大事な大事なピースを俺自身が飲み込んで腹の中に隠し持ってんだ。だから、俺は何時まで経っても不完全のまま。お前に探し続けさせる。
良く言うだろ？

完成させるまでの過程がタマラナイ、って

俺の心の投影。
曇天と言うには幼稚で。雨空のような情緒も無く。雪の純白さにも程遠い。
途切れる事の無い灰色が埋め尽くす空。生温い風が隙間風。寒くも暑くもねぇ空間。

快晴には無縁。
差し色はお前次第。

青、は眩しいなァ