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327.宛先不明の手紙【〆】
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2013/04/25(木) 20:45

赤司征十郎、


何が正しくて何が間違っているのかとか、そう云うのはもうよく判らない。誰も傷付けたくなくて、誰かに縋ってしまう自分の事も許せなくて。独りは寂しい癖に一人になろうとする。温もりの優しさを覚えてしまったらもっともっとと求めてしまう。その欲深さは制限が利かなくて、相手の全てを支配したくて堪らない。全てを僕に捧げろ、常に僕の事を考えろ、お前は僕のモノなんだから当たり前だろう、馬鹿が。そんな事を考える醜い自分に気付いて一層殻に籠る。

彼奴は僕を最後まで好きだと言っていた。こんな、汚い僕を。投げ掛けた汚い台詞は嘘も沢山で、涙を見られたくなくて、後ろを向いた。背中越しに投げた別れの言葉。背中越しに受け取った優しさ。御免、もうその優しさに浸る事は出来ない。足りないから。満たされない事に、気付いてしまったから。傲慢な男なんだよ、僕は。望んだモノ全てが手に入らなければもう要らない。百でないのなら、一つも要らない。綺麗事なんて言っていられない。…だけど彼奴から貰った日々は確かに幸せで、何年もの時を経て漸く恋愛を思い出す事が出来た。有り難う、有り難う。どうか幸せになれ。彼奴は自分は幸せになれないと言ったけれど、そんな事は無いから。僕が彼奴の世界になりきれなかっただけ。只、それだけの事だった。



走って、走って。
耳を塞いで、何も見ないで、逃げた。そして誰も居ない暗闇に落ちたつもりだった。誰かを想う事で弱くなるのなら、もう誰も想わない。それが王者の枷だと。運命だと。

溢れて止まらない涙、
―――…それを拭ったのは、


『赤司っち、オレをアンタのモノにして』



何年も、何年も、
何処まで追い掛けてくるんだ。



馬鹿犬が。

〆 

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