2:24 差し出された手を、優しさを振り払って笑う、『大丈夫』 何度も唱えた呪文は呆気なく効果を無くした。それでも唱えた続ける呪文。いつしかそれは効果を取り戻してまた笑う。繰り返す、無限ループ。落ちる、おちる、堕ちる。笑う、わらう、嗤う。沈み続けても見えないソコ。身を委ねてしまおう。 目を瞑って力を抜こうとした瞬間掴まれた腕、『逃げんな』 優しく、それでも拒否を赦さないように引っ張られる。浮遊しながら段々聞こえてくる声。浮き上がる前に離された手。ゆっくりとまた沈む身体。あァ、そういうことか。イトは掴んだ。これで見えないソコに辿り着く前にオレは自動的に浮遊する。 |