2014/2/4 12:42 |
記憶だけでは足りない部分を補うために、想い出を形や文字にし残すというのが俺の考えだった。いや、考えだ。一時的な感情のみで行動を起こすと、後悔を伴うということをよく知っている。後悔しないためにはいくつものパターンを思い描き、自分の思いや考えだけじゃなく相手の気持ちも考える。続けてきた結果が一年という月日だと思っていた。 日に日に揉めることが増えるようになっていたこと、私生活との両立が厳しくなっていたこと。理由なんて様々で、挙げようとすれば積み重ねた時間の分だけ幾つもある。価値観の違いだよ、とその一言だけで纏めてしまうことも終わらせることも、諦めてしまうことさえ嫌だった。頑張ればどうにかなると、どうにかできると俺は本気で思っていたんだ。拗ねたり怒ったり、哀しまれたり寂しがられたり、その全てをどうにかしようとしてた。だからだろうか、限界ってものがあったんだ。何処までもいけると信じたし、信じていたが、もう無理だと何度も言いたくなって投げ出したくなった。周りが言うような「鉄心」なんて何処にもなかったんだ。 悲しいことを口にするのを止めていた、綴ることさえも。日記を見てくれていると知ったときは嬉しかった、見ていると確信を持って投げかける言葉や二人のやり取りを綴るのが楽しかった。多分、ほんの少しずつ動き出していたし変わっていったんだろう。彼が出会った当初から徐々に変わっていったように、俺の状態も変わっていった。変わらないでほしい、元に戻ってほしい、と願われること。そのプレッシャーに押し潰された。 最後は愛情を感じさせてあげることすら出来ていなかった。彼とだけのやり取りに絞り、他者との連絡を断っていたのにも関わらずその状態だったのだから終わりがきて当然だったのかもしれない。 |