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586.美しい怪獣
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桃井さつき
2013/05/22(水) 17:16
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駅を駆け抜けるランドセルを背負った女の子とか、大学生の紙袋に入っていた緑のワイン瓶とか、眠そうにぼんやりと遠くを見つめるサラリーマンとか、赤ん坊を抱えて踏切を指差す母親とか、ウォークマンにイヤホンを差し込んで音の世界に浸る高校生とか、人間が捨てたこれから燃やされるであろうプラスチックの塊を漁る烏とか、ただジリジリと世界を照らして私の皮膚を焼いていく太陽とか。
人が人であって、街の中に蔓延る何かが不衛生に沢山たくさん意味もなく互いの自己満足の元成り立つ関係で出来ているとも知らずに、其処から出来たって、底から出来たって、還元されるお話を繰り返してた。惹かれあっていたことを知らずに惹かれあって居たようだけどそれでもどうしても、キラキラ輝いて眩しく見えてしまうのは私がきっとどうしようも無く詰まらない人間だからなんだろうなぁ、と、誰も否定も肯定もしてくれないような言葉を並べて、また今日も憧れるだけの一日で終わりになるんだろうなぁなんて。結局私は私で、あの子には成り得ないもの。それだけだよ。
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