¶:思考切り換えスイッチ。 考え事をしていた筈なのに、あっという間に掻き消された。タイミングはバッチリだった、褒めてやっても良いのだよ。お前と話す事に不要なモノなんて一つも無く、また、得るモノも多く。オレはいつも、沢山話した後は読み返してみて整理したりする。ぱぱっと、思った事を思ったまま綴っていたから、もう一度読み返すとより理解が深まるのだよ。 愚痴だとは思っていないし、オレは話せたら何でも嬉しいよ。 これからも気軽に話して貰えたら有り難い。お前も知る通り、オレは根っからのぼっち気質だろう。お前がこのぼっちの友人として時々会話を愉しむ事は、最早運命なのだよ。それから、お前の不意打ちについて感慨深い思いをしたから奴(本家。)について思いを馳せていた。 懐かしいよな、あれ。 ¶:一文字。 考え事について。余計な事を言ったかもしれない。自分の言動を思い起こしたら、やっぱり八方美人なのではないかと少し疑いを持ったが、今年は信じる年なので厚かましくも違うと信じてみる。大丈夫。もし何か嫌な思いをさせたのならば、離縁の申し出は貰える筈だからな。ここ数日一緒に居て貰って感謝こそすれ、オレには不満なんて何一つないのだから。友人との別れは辛いものだが、こればっかりは仕方あるまい。 それでも、信じたいのだよ。 ¶:見極めるということ。 砂利が奥歯の隙間を転がり、音を立てるのを聴いた。味はしない。 苦虫より硬いけれど、厭味よりかは柔軟で。陰る窓の傘、雨を弾いてもまた濡れる。滑らかな崖を撫でる痕は、何故かひどく甘かった。 だが、それも錯覚で。 視覚とは、何と抗い難い物だろう。 |