¶:おしるこが欲しい話。 相変わらずこのバカがオレに対して失礼なのだが、未だに新年会気分が抜けていないのだろうか。オレが貴様に無礼講を許した覚えはないのだよ、バカめ。弁当を最初に頼む時は『宜しく』だった筈なのに、いざ食べてみれば『ほ/か弁よりかは不味いがスーパーの弁当よりは美味かった』だぞ。何様のつもりなのか。 初めて弁当を作った相手にこの言い草である。だからお前はダメなのだよ。朝から何時間も掛けて作ったのに、酷いと思わないか。以前はカニさんウインナーだけでも我慢出来るとか何とか言っていたのに、今ではハンバーグ(?)にケチを付けるような男なのだ。愛の足りないこいつでは、手料理に必要不可欠な愛情という名の隠し味にすら気付く事はあるまい……やれやれ。食べる奴がこれではオレの料理の腕前もなかなか成長しないのではないだろうか。ムカつくから毎回ハンバーグとカニさんウインナーは入れてやろうと思った。ハンバーグを作ったらちょっとした立体パズルになっただけなのに、もっと褒められて然るべきだと思う。これはおしるこをもっと貰わないと許せないレベル……そう、1ケースくらい。 友愛とは、なんて薄情なものかと。 (そんなこんなで。) 日記についてはもう良いだろう、解っているのだよ。もう覚えた、499だ。解っているのだよ。 オレのハンバーグをディスリスペクトするのはいい加減にやめないか、後悔させるぞ。あと、お前はオレのカニさんウインナーのあの躍動感と雄々しさに何も感じなかったのか。そこら辺の弁当に生息しているまるっこい蟹になんて負けない、立派な蟹らしさだったろうに……お前は本当に残念だ。もう少し見る目のある男だと思っていたのに、どうやら買い被り過ぎたようだ。 何だかしょんぼりしてきた。 オレのカニさんウインナーを食べるに相応しい相手を探さなければだな……違いの解る奴、誰か頼む。 ¶:ヒトデ2匹と鯖缶の話。 結局、ヒトデは2匹居たようだ。高尾は笑わずに居られたのだろうか。今日もミーティング中にえらい笑っていたが、きちんと話を聞け。何なのだよ今日は、青峰といいお前といい……まあいい。最近のオレの交友関係の所為で、青峰と言っても上手く認識されずに毎度話の前に軽い説明を挟むのを面倒臭がっていたら高尾のナイス・パス。『え?腹壊した方?』「ああ、何ならもう鯖缶で良い(ほ/か弁云々の後なので割と投げやりである。)」『おっけ』 鯖缶でも充分過ぎるな。……む。鯖缶の話をしたら食べたくなってきた。水煮が一番美味いと信じている。 そんな、ヒトデと鯖缶の話。 |