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部屋主の暇つぶし
 ┗10

10 :りゅう
05/15(金) 17:07

(5の続き)

「でもなぁ、俺、死ぬ危険がないような安定の狩場はつまんないから嫌なんだけど?」
 何度となく繰り返した文句で重四郎の誘いを断ってきた裕翔だったが、不敵な笑みを浮かべて重四郎の次のセリフに、目の色が変わった。

「お前がそう言うと思って、今日はとっておきの話を持ってきた。」
「お、なんだ?」
「リトス平原で、先輩たちの情報にはなかった湖が見つかったんだよ。」
「マジかよ。俺リトスは、もう隅々まで踏破したと思ったのにな!」

 案の定話に乗ってきたことに満足し、さらに裕翔の興味を引くような情報を提供してくる。
「釣りスキル持ってる奴が軽く試してみたんだが、何かデカいのがかかった途端、糸ブチ切られてた。」
「ほうほう。そりゃいいな。」
 裕翔の食いつき方は、まさに餌を目の前にした魚のようだ。

「如月、釣りスキル上げてただろ? お前なら釣り上げられるかもと思ってね。んで、今まで見たことないような凶暴な奴だったら、お前でも楽しめるだろ?」
「ああ、わかった。じゃあ、色々準備して行くよ。何時にどこに行けばいい?」
 気が早っているのか、重四郎に声をかけられた時にはまだ半分以上残っていた弁当の中身はすでに空っぽだ。

「正午の鐘が鳴ったら、メルキュールの東門前に集まってくれ。リトスには、美波がワープゲート開ける。」
 重四郎の恋人は、移動魔法など空間に関する魔法が得意な種族だ。
「じゃあ如月、またユニヴェールでな。」
「オッケーリアジュー。」

「よーし待ってろよ、未知の怪魚! 即死攻撃とかしてくるかなー? 食らったら二度と復活できないみたいなバグったことしてこないかなー? そういうのを紙一重で躱して反撃するのが醍醐味なんだよなー。」
 久々の強敵とのバトルの予感に、若干危ない発言が飛び出る裕翔だった。

 
 ーーそれが現実にまさかなろうとは。

(Mac/Safari)
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