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短編小説コンテスト!
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5 :匿名
06/03(水) 13:28

↑の続編

時代は、まさに群雄割拠の戦国時代を迎えていた。
 長きに渡り大陸西部で覇権を争っていた、ソーセージ神国とベーコン帝国の両国が対消滅のような形で滅んで以降、プロシュート・ハモンセラーノ連合が、一度は全土を統一した時期もあったが、塩分濃度の好みによって、それらも分裂。様々な小国が散りばめられるようになる。
 メイン肉料理時代が終焉し、アンティパスト時代へと突入していったのである。
 
 折しも、沢山の国々が生まれた結果、多様性豊かな芸術が花開いたのも、この時代である。
 目玉焼きには、塩胡椒なのか、醤油なのか、あるいはソースをかけるのか。
 酢豚にパイナップルは入れるべきか否か。
 東部と西部、北部と南部などとハッキリ色分けされるものもあれば、見事にバラバラのモザイク模様に塗り分けられるものもあった。
 なお、筆者は、目玉焼きには塩胡椒派であることを明記しておく。
 
 そのように小国同士の小競り合いがしばらく続いていたのだが、やがていくつかの大国や連合国が生まれ、再び大陸全土にガス火があがる。
 第二次世界大戦、あるいは、ポテト戦争と呼ばれる戦争の始まりである。
 
 それは、主要国の首脳会議後の会食が引き金となった。
 供された茹でジャガに、持参したイカの塩辛を乗せて食べた某国首脳に対し、その行為に我慢ができなかった者が、このように言い放ってしまったのである。
 曰く。
「ジャガイモの熱でバターを溶かして攻める『ジャガ×バター』が正義!正々堂々とやるべきよ!」
 口は災いの元。
「ジャガイモにがっちり味をつけて攻める『塩辛×ジャガ』が至高!」
「ジャガイモが野菜の立場を追い詰める『ポテ×サラ』もお忘れなく!」
 各国首脳が立ち上がり、不規則に主張を始める始末。自らの価値観を脅やかす敵は、自国の敵なのだ。
 そこから戦争に発展することになったのは、自然の成り行きであったと言えよう。
 
 しかし、後の歴史書に語られていた。
 「触手プレイか……。ナシよりのアリね……。」
 と『ジャガ×バター』派が後に呟いていた、と。
 いっときの感情に身を任せてしまったことが取り返しのつかない事態を呼んでしまったという、悪しき事例である。
 ちなみに、個人的には『明太×ジャガ』もアリ。

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