#寝る時の話

蔵は寝る時抱き枕が必要な奴らしい。

せやけどホテルに抱き枕なんてないし、ほな枕を抱き枕にすればええやんって言うても枕は二つしらあらへんし。
うーんって思ったらコイツ人の事抱き枕にしてきよった。
俺は珍しく眠くなかったんやけど、後ろから抱き締められるぬくもりとか、回った腕とか密着度とかそんなんにドキドキしてほわほわして気付いたら寝とったっちゅー話なんやけど。

…ここまではええねん。
問題は朝や！

昨日確かに俺は蔵に抱き締められながら幸せな気分で寝た。腰に回した片方の腕が疲れへんように、腰の所に枕入れて隙間作って、そこに蔵の腕が入るようにして。…あ、この時点で枕は仲良く二人で一個使っててんけど。
ほんで、幸せだなーって思って寝たんや。
…せやけど朝。さっむ！って思って起きたら蔵は居らんわ布団は半分までしか掛けてへんわで色々ショックやったわ！しかもコイツ人に背ぇ向けて寝てんねん！お前そっち向いて寝ると鼻つまるから嫌やねんーとか言うてたやんけ！普通に向いて寝とるやん！
しかもコイツ枕無しで寝とるし、もっと意味分からんのは俺は本来腰にあったはずの枕に頭乗せて寝とるし！どういう状況やねんこれ！
…はっ。もしかして俺なんかしたんか？やからコイツ背ぇ向けて寝とるんか？

…なんや色々ショックやけど、とりあえず蔵が起きるん待っとるか。