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4.パフューム
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不二由美子
11/09(金) 00:01
彼の書いた馴れ初めを読んで恥ずかしいやら懐かしいやら。出逢った時の話を普通に出来る仲が一番理想的だとか偶に聞くけれど、わたし達ってあまりそういう事を話さないのかも知れないわね。彼目線での話を聞いて、とても新鮮だったから。
跡部くんの言葉だとかあの時の事、彼みたいな人がよく覚えていたと感心するわ。
わたし目線での馴れ初めも、少し書いてみようかしら。改めて文字に起こすのは初めてだから、何だか変な感じ。
初対面の印象は「遊び慣れてそうな人」だったと思う。
確か雨の降る寒い日で、雪になればいいのにって話をしたの。それから、冬の海が好きだとか。
春の似合う人に淡すぎる片想いをしていたわたしは、それが叶わないって分かっていたから何だか冬が恋しかったのよね。冬が明ければ必ず春が来るから待ち遠しくて、こんなに寒いのにまだ秋の括りだなんて信じられなくて。
いかにも一夜限りの人だったから、暖め合って離れる時に「また会いたい」って言われて驚いたの。
アドレスを交換して、会えば暖め合って。すぐに飽きて離れるだろうと思っていた彼は季節が変わって冬になっても、それを通り過ぎて春になっても一緒に居てくれた。
好きなもの、苦手なもの。とりとめのない話をたくさんして、毎日決まった時間に届く彼からのメールを読むのが楽しみだった。長かったからそんなに数は送れなかったけれど、時間が合う時にはどこかでデートして。
自分の穿った目線が申し訳ないんだけど、ふとした時にわたしの話した何てことない「苦手なもの」を彼が覚えていてくれて、何だかすごく意外だったの。
わたしの苦手なものは二種類あって、両方とも一般的に好まれるもの。そしてその二つの組み合わせが人気のものなんだけど、三ヶ月は経ってから「でもお前は嫌いなんだよな」って、さらっと言われてね。
知り合ってすぐの時話した何気ない内容を覚えていてくれた事、とても嬉しかった。
切っ掛けは……決まった時間にくれていた連絡が届かなかった日があったのよね。「すぐにわたしに飽きるだろう」って思っていたのに、いざそうなるとショックな自分が居たの。勝手よね、本当。いつの間にか彼が居なくなるのが怖くなって、彼への恋を知った。ああ、春の似合う人への気持ちは憧れだったんだって納得したわ。
丁度その頃だった。彼から「これからも傍に居て」って言ってもらえて、望むところだって思ったのよ。でもすぐに抱き締められて「俺のものに」って言われて、何を言っているか分からなかった。
「今から?それは無理ね。ずっと前から、あなただけのものなのに」って言葉が口をつく程度には、彼の事を好きになっていたみたいね。
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