# バレンタイン。
正直、俺にとって
そんなに特別な日では無くて。
恋人が出来れば、
いつもなら確かに欲しいなーなんて、
自分が貰う側な気分だった。
けど、今回は何だろう、
バレンタインという日に特別さを
感じないくらい、
彼奴と出会ってから毎日が特別で。
沢山の言葉を貰って、
若干満たされていたからかも知れない。
# 少しは、渡しに行こうかな、
# なんて。
# 頭の端に浮かんだんだけれど。
予め、多忙になると言っていた彼から、
珍しい時間帯に突然のメール。
あれ、と思いながら開いた其処には、
何処か彼らしい、
ユーモアとアイディアの生かされた、
要約して言えばチョコを強請る内容が。
読んだ瞬間、
彼奴からの愛を感じて、
思わず笑ってしまった俺。
自分のことながら、
失礼な奴、なんて呆れてしまったけど、
俺のチョコを欲しがる彼の気持ちと、
こんな反応しか示せない俺をも、
可愛い、という言葉で愛してくれる彼に
心の底から込み上げる笑みを、
堪えることなんて出来なかった。
# 間違いなく、言える。
俺は今、幸せ。