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97.無題.
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11 :
跡部景吾
12/24(火) 01:38
彼奴から離れようと思ったのはこれで二度目か。
嫌いになったとか、そういう事じゃなく、ある意味では距離が近くなり過ぎた結果なんじゃねぇかとも思う。
口から出した言葉に責任持てねぇ奴は男らしくねぇと思ったのが今回の最大の原因。
端的に言えば「親しき仲にも礼儀あり」っていう事か。
シンプル南(ここは千石の方がいいか？)と鳳に散々吐き散らしたら冷静になって、あぁもうこれで終わりなんだなと思った。
纏めてゴミ箱に捨てるのに躊躇はなかったし、彼奴から連絡来るなんて事も想定してなかった。
が、彼奴はそういう時に限って来るんだよな。
思い返せば何時もそうだった。
ある意味強運の持ち主たる由縁かもしれねぇが、どうしようもなくなった時にふと顔を出すような奴だった。
あの約束はまだ有効だったのかと驚きつつ、謝罪もなくいきなりそれかよと言う間もなく、気遣いの言葉と了承の意を示しちまうのは俺の悪い癖か。
何で彼奴がそんなにも拘るのかは俺には分からねぇが、どうやら俺のクリスマスは遅れてやって来るらしい。
彼奴は気付いてねぇとは思うが、その数時間後に俺達は出会って4ヶ月になる。
幸か不幸か、なんていうタイミングだ。
嫌いになる程、彼奴には多くを望んでねぇから、こうやって受け入れちまうんだろうな。
欲求を持つのはいいのか悪いのか、逆に何も望まないのはいいのか悪いのか…どっちもメリットとデメリットは存在すると思うが、俺には分からねぇ。
俺が彼奴を信頼するよりも、彼奴の方が俺を信頼してるのかもしれねぇなと…たまに思う。
希望的観測に過ぎねぇことだが。
俺の信頼は移ろいやすくて不安定だ。
ただ、信頼しててもきっちりしねぇといけない部分があるってのは分かった。
取り敢えず、悩むのは疲れる。
それに尽きる。
彼奴から離れられなかったのもこれで二度目。
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