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477.【妄想の】二つ名キャラで小説を書こうぜ【暴走】
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58 :◆Nq5PNg/rCw
投稿日:11/02/26 01:01:35 JA9cKu/gO

「この子は見た目こそ小さいですが、人を殺すだけの力は十二分に持っていますよ。特に、人の心臓が好物のようで」
  深淵検死官の台詞に呼応するように、龍が咆哮する。その叫びは、結界内に轟々ととどろいた。やはりこいつは、人を喰うらしい。
  だが、心臓が好物とは──不幸中の幸いといったところだろうか。幸いと思いたくもないが。
「まあ、上の方からも、勧誘に応じない時は少々痛めつけてくるよう命じられているので……悪く思わないで下さいね?」
  その言葉が終わるか終わらないか、それを判別する間もなく龍がこちらに向かって一直線に飛来した。
「うおっ!?」
  ……ああしまった、突然のことに思わず避けてしまった。そんな俺の姿を見て、深淵検死官は愉しそうにほくそ笑む。
「さあさあ、死にたくなければ頑張って逃げてくださいね。その龍一匹なら、なんとかなるかもしれませんよ?」
  黙れ。運良くなんとかなったところで、どうせ次のカードをひかせるだけだろうが。
  ──それに俺は、もう逃げない。
  こう言うとかっこいい響きがするが、実際はわりと無様なものだ。
「一つ、自慢にならないことを教えてやろう」
  俺が避けたせいで、勢い余って俺を行き過ぎた龍が再びこちらを向く。その龍に改めて相対しながら、俺は深淵検死官の方を見ることなく、ほとんど独り言のように呟いた。
「恥ずかしながら、俺は結構死に慣れてんだ」
  ──龍が、飛来する。
  さあ、覚悟を決めろ。ああは言ったが実際、死を目前にしてみると、吐き気がするほど身の毛がよだつ。だが、それをあいつに知られてはならない。それではあいつの思う壺だ。
  龍が、口を開く。鋭い牙が見えた──
  ──衝撃!!
「────が……っ!」
  脳内が、白くなる。視界に、いくつも、光がちる。すぎさって、いたみが、いタく……、イシき、が……なク……な……─────


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