アマゾン


スレ一覧
477.【妄想の】二つ名キャラで小説を書こうぜ【暴走】
 ┗75

75 :◆Nq5PNg/rCw
投稿日:11/03/02 05:02:41 TsTNbbBIO

  深淵検死官の能力も、ある意味では死と再生の繰り返しと言えるだろう。あいつは死の手段が豊富にある分、死は仮想のものだが、俺は瘴気でしか殺せない分、実際の死を与える。
  また一部の宗教では、ウロボロスは物質世界の限界を象徴するものとされている。これは、その環状の姿が内側と外側とを生み出し、そこに境界があるととらえたかららしい。なので、深淵検死官にしろ俺にしろ、結界を使用する能力なのは、それもあるのだろう。
  斯くして、深淵検死官はこの結界内で、死と再生を味わうこととなった。ふふ、と彼は、声を立てて嗤う。
「迂闊、でしたね……今まで、そのように『殺された』、方は、うちの組織に……いなかった……ようで、すし……」
「……まあ、状況が状況だったからな」
  最初に囲まれた時は多人数だったし、俺も傷を負って疲弊し、さっさと切り上げたかったから、殺して蘇生までさせている余裕はなかった。蘇生するとは言っても致命傷、死の原因が回復するだけで、それ以前に受けた傷までは治癒できないのだ。先刻受けた『死』は、うまく蘇生することのできる死に方だったと言えるだろう。
  あの女が俺を欺いていたことを告げにきた奴の時は……一刻も早くその場を立ち去りたかったから、昏倒させるだけにとどめた。
  今回、俺の方で打ち切る理由は、ない。……それに、
「それに……俺はあまり、心が広くないんだ」
  なにを、と深淵検死官の口が動く。何を言っているんですか、といったところだろうか。

(124.146.174.75)
[削除][編集][コピー]



[設定]
TOTAL:2381556 TODAY:528 YESTE:525 ROM:2
WHOCARES.JP