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477.【妄想の】二つ名キャラで小説を書こうぜ【暴走】
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76 :◆Nq5PNg/rCw
投稿日:11/03/02 05:03:25 TsTNbbBIO

「仮想死とはいえ、一度自分を殺した相手を、のうのうと返す気にはとてもなれなくてな」
  俺の台詞と共に、黒蛇の立てるシューシューという息づかいが、更に強くなった。
  瘴気を吐いているのは、あの黒だ。白は瘴気の毒を中和させる息を吐いており、この二匹のバランスで毒の侵攻を早めたり遅めたりすることができる。今、黒の吐く瘴気が強まったことで、あの男の身体にはより毒が回ったことだろう。深淵検死官の顔には、幾筋もの脂汗が流れている。
「『人の痛みがわかるような人間になりなさい』……って、幼い頃に教わらなかったか? 良かったな、これであんたも、服毒死って死に方だけではあるが、死のつらさがわかるようになっただろ」
  ……まあ、自分でこうは言ってはいるが、とても良かったとは思えないだろう。実際、もう余裕を保てなくなったのか、深淵検死官はぎりぎりと歯をくいしばっている。
「それに、あんたも俺も『ウロボロス』だろ」
  黒の、シューシューと息を立てる音が、一層強くなる。俺は、黒と白を指すように片手を真横にまっすぐ上げ、言った。
「蛇は、共食いするもんだ」
  一方的には──喰われない。
  どさり、と深淵検死官の身体が、糸の切れた操り人形のようにくずれ落ちた。果たして彼に今の言葉は、聞こえていたのか、いなかったのか。
「……どうでもいいか」
  手を降ろして、ほっと息をつく。深淵検死官が目を覚ますまでには、もう少し時間がかかりそうだった。

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