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477.【妄想の】二つ名キャラで小説を書こうぜ【暴走】
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89 :◆Nq5PNg/rCw
投稿日:11/03/02 05:23:30 TsTNbbBIO

  ……そう思っているうちに、迷惑な奴第二号が到着した。
「あ、うろにー、やっとみつけたー!」
  どんっ、とエリーが弾丸のように抱きついてくる。
「さいふよこせー!」
「ちょっ、待ておまえ! 財布さえあればいいのか! うわ、ポケットをまさぐるな! 手ェひっこめろ!」
「あ、さいふー!」
  エリーが手をわたわたさせるが、流石に腕を高く伸ばした俺の手の内にある財布には届かない。が、背後からの刺客がそれを奪い取った。
「……あっ!」
「ひい、ふう、み……ま、これだけあったら一人二個は余裕ね。さ、行くわよ」
「うんー!」
  呆然としている俺を尻目に、二人の盗賊はずんずん歩いていく。ああ、俺の財布……
  と、ローラが足を止めて振り返った。
「なにぼーっとしてるのよ、うろちゃん。ほら、行くわよ」
「……俺も、行くのか?」
  呆然としたまま訊く俺に、ローラも不思議そうな顔で答える。
「そりゃ一応うろちゃんのお金なんだから、一緒に行くでしょう。なに、チーズケーキ嫌い?」
「いや、嫌いじゃないが……」
  なおも動かなかった俺の手を、エリーが引っ張る。
「うろにー、一緒にいこう?」
「……ああ、うん」
  小さな手に引かれて、俺は一歩を踏み出す。その一歩は続いて行き、すぐに三人で並んで歩きだした。
「そういえば、『エトワール』に新しいメニューができたそうなのよ。『フレーシュ』を出たら寄ってみる?」
「うん、行きたい!」
「おまえら、次から次へとよくそれだけ食えるな……」
「甘いものはいくらでも入るのよ、特に美味しいものだとね」
「ねー!」
「……そいつは羨ましい限りで」
  ──ふと見上げると、雲一つない青空が広がっていた。色とりどりの屋根が青空を彩っていて、商店や大道芸人の周りでは人が活気づいている。街をぶらつくには、申し分ない一日だった。


  青天の下、俺たちはにぎやかな街の中を、楽しみながら一緒に歩いていく。



【了】

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