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517.【広壮なる】二つ名キャラで小説を書こうぜ 第二章【妄想】
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48 :◆Nq5PNg/rCw
投稿日:12/07/07 16:50:26 sCX8bIjCO
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「ふふ、この学校には対した能力者はいないのね。残念だわ」
机の上で、黒いドレスの少女は微笑みながら呟く。 元々少ない存在の能力者、この学校でも能力者を集めたクラスは特組一つしかない。その為、ここを制圧したとなれば、もう異能で彼女に能う生徒はいないと言っていいだろう。
「唯一の懸念が教師の能力だけど……まああの程度の生徒を束ねるくらいなら、たいした能力はなくても大丈夫そうだしね。軽くひねり潰してあげるとしま……」
キーンコーンカーンコーン、と彼女の言葉が終わるのを待たず、教室に設置されているスピーカーから、チャイムの音が鳴り響いた。何よもう、と台詞を邪魔された少女はむくれる。
その一方で、
「……お、もう朝礼の時間ですか」
窓から身を乗り出す形で寝ていた鈴音子が、のっそりと身を起こす。猫型の抱き枕をはたき、ナップザックに押し込んだ。因みにこのナップザック、抱き枕以外のものは入っていない。教科書は元より、筆箱すらもロッカーに置きっぱなしにしている鈴音子である。
「さて、ここからが見物でありますね……」
チャイムが鳴り終わるのを待ちつつ、鈴音子はぼそりと呟く。その横で彰子が、ざまみろと言わんばかりに口角を少し歪ませた。
最後の余韻を残して、チャイムの音が消えて行く。その余韻すらも完全に消えたのを確認して、ドレスの少女はふんと鼻を鳴らした。
「全く、いい所で邪魔しないでほしいものだわね。私がこの学校を指揮下に置こうとしているところに──ッ!?」
ふつりと少女の台詞が途切れる。ただし、今度は何かによって遮られたからではない。彼女自身が、言葉を止めたのだ。目の前の光景に驚愕して。
漆黒の花々が、その根を張った四方からしゅるしゅると枯れて行き、そして霧散する。まるで駆除剤でも撒かれたかのように。最終的にはすっかり消えてしまい、教室の中には一つの机、そしてその上で呆然と佇む少女だけが残った。
「──『論理回廊(テリトリアルロジック)』」
かつん、と靴音が響く。
「『朝礼から終礼まで、緊急事態及び実技授業を除き、一切の異能を使用してはならない』──今回の制限はこの内容だ。因みに朝礼までに発動していた異能は全て強制的に解除される」
ゆらり、と教室の入口に、一つの影がさす。20代後半の、若いが幾度となく修羅場を経験したことのあるような雰囲気。やや長身のその人間は──、
「あ……あなた、誰ですの!?」
「……決まってるだろう」
ドレスの少女の問いに、男はこともなげに答えた。
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