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517.【広壮なる】二つ名キャラで小説を書こうぜ 第二章【妄想】
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49 :◆Nq5PNg/rCw
投稿日:12/07/07 16:51:46 sCX8bIjCO

「特殊学級一組担当、通り名は御法良規(みのり よしき)。──要するにここの担任だな」
「担、任……!?」
「指揮下だとかなんとかほざいてたが、まあ諦めろ。ここではてめェ程度の能力者ならごろごろいるし、無論その上も、な。そして、」
 一度言葉を切り、ぎろりと御法の眼光が鋭くなる。
「どんな能力を持った奴がいようが──ここでは俺が、ルールだ」
「……っ!!」
 狼狽する少女に構わず、御法は言葉を続ける。
「つーわけでさっさとその机から降りろアホ。そして邪魔だから一度この教室から出ろ。片付けが済んだら朝礼の後に職員室だ」
 矢継ぎ早の指示に、流石の少女も唇を噛みつつも、大人しく従って教室を出る。それを確認した後、御法は一人の生徒を呼んだ。
「数奇(すうき)」
「611」
 妙な返事と共に現れたのは、眼鏡をかけた男子生徒だった。式(しき)くんも大変ですねー、とその男子生徒を見て、鈴音子が独りごちる。
「教室の修復。できるな」
「200040004444*333」
「じゃあ任せるぞ」
 一つ頷いて、男子生徒──数奇は教室の中に入った。と同時に教室の中が不思議なドーム状の空間に包まれ、更にその中のものが、さらさらと崩れて数字へと化していく。ドームの中を変化した数字が流れ、舞い、そして──再び数字が集まってものの形を構成し、それがふっと変化して、机や椅子となっていった。
「111110997334」
「終わったか。よし、よくやった数奇」
「411334222224444433*8*19973333000888」
「ドヤるな。おまえら、全員教室に入って着席しろ」
 御法の号令で、廊下にいた生徒たちは、三々五々自分の席へと座っていく。その様子をじっと見ていた御法だったがふと、ぐい、と二人の少女を捕まえた。
「……砕渦(さいか)、操波(あやなみ)。おまえら今上から来ただろ。何してた」
 御法から問い質され、砕渦と呼ばれた少女は不機嫌そうに黙って目を反らしたが、操波と呼ばれた少女は毅然と申し立てた。
「砕渦が秩序に楯突く気満々だったので、成敗してました!」
「……負けてはいねェぞ」
 ぼそっと呟く砕渦をぎり、と睨む操波だったが、
「よしわかった。おまえらも朝礼後に職員室な」
「なっ……何故私まで!」
「当たり前だろ……」
「あんたに言われたくないわよ!!」
 やいやいと騒ぎながらも教室に入る少女二人と教師。廊下には、ドレスの少女だけがぽつんと残された。
「あ、あの……」
 応対を求めてあちこちへ視線をさ迷わせるが、既にどこのクラスでも朝礼中で、廊下には人がいない。
 もういっそのこと帰るべきかと悩んだ時、
「──転校生。入ってこい」
 入口から、御法が少女に向けて声をかけてきた。
「は、はい」
 最初とは対照的に、おっかなびっくり、少女は教室に入る。あれだけ破壊したはずの教室は、綺麗さっぱり元通りになっていた。
「で、もう全員知ってると思うが、こいつが今回の転校生だ。転校生、転校生デビュー失敗したんだから今度は大人しく挨拶しろ。名前は通り名でいいから」
「あ、はい。……あの、」
 言われた通り、ドレスの少女は大人しく、ぺこりと頭を下げた。
「黒咲絢華(くろさきあやか)、と申します。以後お見知りおきを」


 ──こうして濃緑学園特殊学級一組に、また一人、個性的な生徒が追加されたのだった。


【了】

────────────

終わりです。
ありがとうございました!

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