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1622.玉散る刃の巡恋歌
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152 :
朽木白哉
2011/05/03(火)06:26:39
血鎖を纏いながら当主たる我が所業を省みるが未だ理解に至らぬ。
『真の誇りとは何ぞや』
曾祖父が重ねて口にした言葉の真意。
此れすら稚理稚想な私にとっては解せん。
今更吾が運命を怨みもせぬし、抗うも善しとはせぬ。
然りとて、己の刃を鈍らせるのは他ならぬ其の誇りとやらではないのか。
血、
族、
掟、
古、
歴、
名、
斯様にも曖昧且つ不確かな繋がりが、左様にも貴様等にとっては重要な事柄らしい。
仮初めとて無いよりはまし、と云った思想か。
片腹痛い。
一緒にしてくれるな、下衆が。
『真の誇りとは何ぞや』
理解出来ぬからといって見失う気は更々無い。
私相手に惑わしなど効く筈が無かろう。
季節外れの花見。
逝く前に目にしてから埋くがいい。
兄が、
奔放な燕が。
私には酷く眩しかった。
囚われない貴様が、
酷く羨ましかった。
── 櫻華 ──
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