綴一覧
┗
1622.玉散る刃の巡恋歌
┗159
159 :
志波海燕
2012/03/02(金)00:35:53
壁に向かって石を投げても何ら面白く無え。
其れならば、川に向かって投げた方が余程マシだ。
水面に対して斜入した小石は、緩やかな曲線を描いて宙を舞う。
投げ方一つで近くに沈んじまう事も有れば、予想に反して大層遠く迄届く事も有る。
静かな水面で有れば其れも叶うんだろうが、荒れた川では跳びもしねえ。
だが、其れでも。
俺は濁流に向かって石を投げてえ。
荒々しい波でさえ決して流されん小石を、俺は心底好むらしい。
撃ち堕とせぬ鳥こそが
最も美しく最も手に入れたいモノで
曰く激しい矛盾の中にのみ存在する
最も狂わしき情欲
此れが、
永劫変わらぬ思考論理なのだろう。
── 上弦ノ月 ──
[
返信][
削除][
編集]
[
戻る][
設定][
支配人の部屋]