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1906.揚雲雀
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165 :
朽木白哉
2013/08/02(金)01:30:22
新たな一冊に、込み上げる懐かしさに似た何か。
恐らくは、私が知る、月の君。
何故か、…安堵を憶えた私が居る。
戻らぬ燕の羽音も遠く、形を成さぬ不安が過る日々なのに。
流れる風の薫りに誘われて覗いた綴りに兄の影を見た。此れが思い過ごしならば、無礼を詫びねば為らぬ。息災か否か、未だに兄の存在は私にとって別格なのだと識る。
愛しき燕の姿は見えず、七日目の夜とて過ごせぬ侭、時は過ぎた。其れでも、燕の帰る場所は私だと確信しているが故に、待っていられる。此の昊は燕に続いていると識っているから。
共に過ごす時には何を話そうか。けれど、零れる言葉は屹度想いを紡ぐのだろう。そして、共に休むのだろう。
傍らには私達の子ども達が寄り添って。
最早此の綴りを見る者等居らぬのだろうが、未だ此の世界に生きている証に一筆。
形を成さずとも、私は燕のモノ。
そして、燕は私のモノ。此れ迄綴った想いは変わらない。
月夜の晩には、殊更強く、燕が癒されるよう。
私の想いは、変わらず燕へと謳われる。
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