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2492.ドFの花道
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162 :
檜佐木修兵
2012/02/02(木)08:58:20
幽玄の闇の中。
解けて溶けて融けて蕩けて。
二つが一つになってどろどろに混じり合えばいい。
境無く仕切り無く、何処からが其方で何処からが此方で。
解からなくなるほど混じり重なり相俟って。
見も心も姿態も思考も一つになれば永久に離れる事は無い。
何時訪れるか解からぬ離別に怯える必要は無い。
二つより一つがいい。
されど
闇が色褪せる黎明。
解けて溶けて融けて蕩けて。
一つでは分かち合えぬ温もりが恋しくて。
此処からが此方で其処からが其方だと、境目を探して仕切りを求めて足掻きもがく。
肉体と霊子の約60兆個ある細胞が離れ離れに互いの血肉が別々に成形されて。
見も心も別々で在るが故にどんなに身近に居ようとも距離が空いてしまう。
何時か離別する時が来るのではないかと、先の見えぬ不安に怯え続ける。
だから温もりを求め、一つより二つがいいと手を伸ばして言葉を掛ける。
二つより一つがいい。
でも
一つより二つがいい。
今日もその矛盾を抱えて
お前を愛してる。
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