綴一覧
┗
2578.【一歩】
┗103
103 :
阿散井恋次
2013/07/24(水)18:49:11
湿り気の多い空気、纏わりつく熱…窓から覗けば断続的な水音に嫌気がさしてくる。書類が濡れるばかりか気持ちも滅入るってもんだ。
久し振りの逢瀬には少しばかり…いや、大分不向きなこの天候。雨水に濡れ切ったあいつの頭をグシャグシャと撫でてやると、悪態つかれて脛に一蹴り。
>あ、不機嫌だ。
なんてすぐに分かる。
取り敢えず濡れたまんまの体どうにかして、ご機嫌伺いで茶でも出してやるか。
いつもは煩いくらいに騒ぐくせに、今日は雨みたいにしとしとと静かな野郎だ。
それは突然に降り出した雨粒の所為か…
>それとも俺の所為か…?
山の天気のように変わりやすいのは、女だけだと思ってたんだけどな。
後ろから抱き締めてやると、真っ赤にしやがる。
>…――ほらな、山の天気のように変わりやすい。
早く太陽のように突っ走れ。
[
返信][
削除][
編集]
[
戻る][
設定][
支配人の部屋]