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2578.【一歩】
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104 :
吉良イヅル
2013/08/27(火)20:56:27
また一つの季節が終わりを告げていく。
「おかえり」と「また逢おう」同時に紡がれる言葉。
君はある時、朝顔を見て
>「朝顔は朝に花を咲かせ、日が暮れると閉じてしまう。だから朝顔なんだ。」
と自慢気に教えてくれたね。
そんな事は分かっているのに、なんて漏れそうな笑みを堪えながら聞いていると…
>「また明日になれば元気な顔を見せてくれる。だから朝顔は好きだ。」
と嬉しそうに、けれど何処か切なそうな顔をしていた。
花に永遠は無い。でも、限られた時間の中で精一杯生きる。それは人もまた同じ。
日暮れの所為で、君の顔が上手く見られなかったね。その顔はどんな表情を浮かべていたのか、僕は未だ分からない。
辛い事を辛いと素直に言えない君へ…
大丈夫。僕が隣に居るから。
僕が君の帰る場所になろう。
後ろから抱き締めたその身体は、まだ夏らしいこの空気のように…
少し熱く、心地好かったよ。
>また明日、朝顔は咲いているだろうか。
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