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120 :
朽木白哉
2010/12/21(火)12:25:23
直に何処ぞ誰ぞの生誕祭。
名以外知らぬであろう誰かの誕生をこぞって祝い、喜びその誰か知らぬ者にではなく己の大切な者へと贈り物を渡すなど幾分奇妙な話でもある。
かく言う私もそのしきたりを受け入れこの矢鱈に尖った木に飾り付けとやらを手伝っている。
(補足として、この木には短冊では無く足袋を吊しておくと良いらしい。現世の文化とは理解を超える、とつくづく思う)
否、ルキアが望むのだから良い。
愛らしい義妹の作った秀麗な白い兎の人形にならい、白い髭を蓄える赤い小太りな男の衣服を纏った白髭大使をその傍らへと吊り下げる。傍らで幸福そうに微笑をたたえる義妹の表情は遠き日に残る緋真の其れを思わせる程穏やかだ。
緋真、お前も此処に加えてやらねばな。後程薄桃を帯びた姉兎を、この傍らへと寄せるとしよう。この妹兎も喜ぼう。
気掛かりなのは紅い犬の事。
目の届かない場所で今尚多忙に追われているであろう彼奴も、元気にしているのだろうか。
報告の任を怠っての事態は我が隊の次席を担う者の行いとして許し難いが私はお前が息災に居てくれれば、それで構わぬ。
寒さも徐々に厳しくなりつつある。
何は風邪を引かぬというが、体調など崩してはいないか。
煩わしくとも手洗いうがいを欠かしてはならぬ、汚れた手で鯛焼きをつまむな。
疲れを溜めていないか、よく食べよく眠るように。それから、選り好みせず野菜もきちんと食さねばならぬ。
少しばかり口煩い事くらい許せ。
頑張り屋を部下にもつと気苦労が耐えぬ、莫迦者。
元気でいてくれ。
―――
少しだけ、宛てる。
何人かの者に心配をかけてしまったようだ、申し訳ない。
心配をかけた手前、こんな事を言うと叱られてしまいそうだが私や恋次は人に恵まれているとつくづく思う。
見守っていてくれて有難う。
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