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2989.夢で逢いたい後ろ姿
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24 :志波空鶴
2015/05/09(土)04:26:23

何時もそうだ。俺の悪い癖。
欲しい物を両手一杯に抱き締めて満足したらヒトツフタツ…否、一気に棄てた。

掴むと怖くて堪らなかった。
消える恐怖が恐ろしかった。

片腕がなくなった時、俺は幸せだと感じた。
欲張ら無い、片腕だけの幸せを得る事が出来るってな。今までの半分の幸せ、それ以上求めても、昔の容量を超える事が無い…人並みで満足出来るんだってな。

兄貴が俺を抱いた日、俺は思ったんだ。
両腕がある時と何も変わら無いって。兄貴がくれた愛は、優しさは、初めから半分じゃ無く、全てだって…。俺には大きすぎた。

その逞しい身体も、優しい声も、掛けてくれる言葉も…存在も。

結局腕が有ろうが無かろうが、俺には大きすぎた。愛される恐怖を…いや、受け止められる根性の無い俺の無力さを…俺は恐怖していた。

兄貴。アンタは俺が消えても何時も何時も迎えに来てくれたね。離れても、声を聞きつければ直ぐに来てくれた。そんな兄貴を俺は忘れない。

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