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3046.花影
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119 :
檜佐木修兵
2012/05/27(日)02:35:28
三ヶ月。
出逢ったのは冬の終わりだが、早いモンでもう夏の気配すら感じられる今日この頃。逢えねえ日は長く感じる時間も、逢っている間には倍速のように感じ。逢瀬の度に俺の心も体も満たされるのに、少し離れるだけで直ぐ、渇く。いつの間に俺は、こんなにも欲深くなったのだろう。
一日中、肌と肌を触れ合わせ誰よりも近い所に感じられようとも。常の表情を崩して俺だけを真っ直ぐ見詰めるその綺麗な瞳に、俺しか映って居ないとしても。ましてや、その口から紡がれる言葉は俺だけに向けられたものだとしても。
どうしようも無く、欲して仕舞う。まだ、まだ足りないと。俺に依存して居るとギンが告げたように、きっと俺もギンに依存して居る。それを伝えたいが為に、これまでどれ程の『すき』を『愛してる』を伝えただろう。どれほど貴方に伝わっているだろうか。俺の想いは。
それでも不意に揺らぐ時もある。そんな俺を咎める事も無く、ギンは優しく抱き締めて言葉をくれた。恐れも不安も全てその腕に抱かれ、掛けられた言葉に優しく包み込まれれば。大丈夫だと、このひととならば何処までも、何があってもと思える。
ギンが揺らぐ時には俺が。初めの頃と比べ、はっきりとした感情を向けてくれる事に嬉しさと、そうさせて仕舞った事への罪悪感が頭の中を渦巻く。けれど、ギンがどう変化しようと、どんな感情をぶつけようと、俺の気持ちは変わらない。俺にはギンだけだと、ギンには俺だけだとこの口と全身を使って不安になる度に伝えよう。
俺には何か変わった事が出来る訳じゃない。特別に美しい言葉を囁いたり行動したりが出来る訳じゃない。何時でも同じように、阿呆みたいにすきだと告げ、抱き締める事しか出来ない。それじゃ何も変わらねえと、ギンは思うかも知れない。けれどこれが俺の愛し方で、ギンの前では唯俺らしく在りたい。それに、そんな俺の姿を見せるのはギンだけだ。
すきだと言ってくれる、その気持ちに胡座をかかず、至誠を尽くし、ギン…貴方をこれからも想い続けると誓います。
愛してる。
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