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3046.花影
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130 :
檜佐木修兵
2012/06/28(木)00:29:17
七夕…それは、短冊に願いを書き、笹へと飾る現世の風習。ギンの話だと、かなり古くからあるらしい。俺達もやる事にした。
机に向かい合って座り、並べられた五色の短冊をお互い手に取る。俺は赤と青、ギンは白と黒を選んだ。ギンは特に悩む風でも無く、筆を走らせて居た。…少しは楽しみにしてくれて居たのだろうか。そんな考えが頭を過ぎる。
お互い書き終え結局見られるからと、堂々と掲げて見せた所には内心笑っちまったが、内容は嬉しかった。俺の願い事は俺らしいと言ったが、ギンもギンらしいっスよ、と此処で言っておきます。
笹の下の部分に飾った黒と青の短冊。そして、頂に飾った白と赤の短冊。ギンの張った結界のお陰で、七夕まで書いた時と変わらずに居られた。
当日。結局生憎の曇り空で天の川を見る事は出来なかったが、それでも新しい思い出を作る事が出来たんで良い。
お互いの事を書いた短冊は交換し、白い短冊は俺の手元に。何処に仕舞うか迷ったが、気に入りの本に挟んで引き出しの中へ。
何時までも色褪せねえように。ふとした時に思い出して二人で笑えるように。
何時もより少しばかり楽しそうな表情。俺の見間違いでは無いと、自惚れても良いだろうか。ギンが願い事を記した白い短冊を見ながら、誰も居ないのを良い事に緩む口元を抑えずに想う。
さァ、次は二人で何をしましょうか。
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