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3065.理想都市都想仮
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115 :
浦原喜助
2012/12/15(土)04:54:57
冷えた風と月明かりを浴び、澄んだ空気がやけに臭う。
やんわりとアタシを照らす月が今にも届きそうで、月へ手を伸ばしてみましたが届かない。分かってはいますが試してしまいました。
伸ばした手の指先から冷えていく。手が、体が、思考が、心が…急激に冷えていく。
嗚呼、月は何て温かくて冷たいんでしょう。
冷え切ったアタシを温めるモノは無い。冷えた手で、冷えた体を抱くのみ。
そうしても、冷えて麻痺した触覚では触れているのすら分からない。
そんなアタシを月は優しく照らす…そこから見たアタシは、一体どんな風に見えているんスかね?
月面の冷たさにアタシの指は捕われて、月光の優しさに惑わされる。
伸ばした手に触れるモノは無く、支えるモノも無い。
崩れ落ちながらも、アタシは月へ手を伸ばす。
この一瞬だけが、ボクになれる時間…大切な、アタシだけの時間。
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