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3065.理想都市都想仮
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34 :藍染惣右介
2012/03/16(金)05:14:51


君を胸に抱いて微睡む。
そんな日も悪くないと思える。

僕は己の野心の為に君を裏切るだろう。
その時、君はどんな顔をして、どんな言葉を僕に言うのだろう。
ふとそんな考えが頭を過る。

こんな事を考えても意味は無いと理解しているが、僕の思考は妙に冴えていて振り払えない。
不安とは違うナニか…。
僕の中にアル黒いナニか…。

君は何時でも僕に応えてくれる。
求める以上のモノを与えてくれる。
でも思ったんだ。
僕は君に応えられていて、ナニかを与えられているのかと。

君の感触、体温、鼓動、表情、言葉…全て僕のモノだと思っていても、ふと気付くと何も残っていない。
苦しさと切なさが残って、
温もりと安らぎが奪われる。

胸に残る言葉や手に残る感触とは違う…ナニかが失われていく感覚。
ああ、こんなにも君を求めているのに、何故僕の心は満たされない?
零れ落ちる砂の如く、確かに存在したのに直ぐに消えていく…。
失う事への恐怖にも似たナニか。
退避する為の動機を、僕は用意出来るだろうか?
答えの無い自問自答を、君を胸に繰り返す。


けれど今あるのは、君の体温と心地好い重み。
それに幸せそうな君の寝顔。
僕を束縛する、君の肌。
今は唯、その事実だけを胸に眠ろう。

例え目が覚めて、君が居なくとも…。

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