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┗3178.萍魂(1-5/200)
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1 :
市丸ギン
2012/09/22(土)00:42:12
地に縋らない、まるで浮草。
水面でただ漂う、此の魂。
>>>3301
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2 :
卯ノ花烈
2012/09/22(土)13:26:49
昔
そんなつもりは無かったと、そう彼は口を開きました。
魂を削り燃やすような恋に興味等無かった、惚れては腫れて程々に草臥れた此の身に満足していた。此の先も穏やかに好いては好かれ、別れては出会うのだろうと、生きて逝くのだろうと。それで良いと。それが良い、と。そう漂う内に辿り着いたのが此処だった。静かで涼しい、ある夏夜のことです。
直感だったと、彼は断言しました。
見知らぬ背中なのに見送るのが苦痛だった。引き止めなければと、傍に縫い留めなければ生きられないとさえ思ったのだと。気付けば筆を取り、走り書きを残していた。此処に降り立ってから一番最初に言葉を交わした、あの黒髪の君に宛てて。
幸せだったと、彼は呟きました。
此れが最後だと感じた。言葉を交わす度、髪に触れる度、見つめる度、見つめられる度、強く、強く、此れが最後になるのだろうと。だから此の魂を、盛る炎に戸惑いも無く投げ入れた。総てを捧げると、愛していると。愛していると。
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3 :
卯ノ花烈
2013/01/26(土)23:35:29
昔
突如訪れた其れは、彼の体を容赦無く引き裂いた。
彼は其の痛みさえも愛でようと、敢えて傷跡が残るよう自らの手で抉ってしまった。傷口から止めど無く溢れる血に消火され、魂は灰と化した。
あの冷やかで堅い顔を綻ばせるのは、己だけの役目だと信じてきた。そう愛してきただけに、此の手を振り解こうとする姿を、あの時引き止める事は出来なかった。引き止めても笑ってはくれないのだと知ってしまったから、そのような辛い顔をさせるのは己では無いと想ってしまったから。
だからそっと、手放したのだと。
そう彼は笑いました。
遠い遠い今は昔の話。
今更文字で起こす事を良しとしたのは、きっと御得意の気紛れからでしょう。
彼は今も尚、此処に留まり続けています。
根を持たず水面に浮かび続ける水草のように。
あれから何年経ったでしょうか。
彼の為にも、どうか幸せで居て下さい。
貴方を手放した事に、彼が哀しみ干からびた事に、せめて意味を与えて欲しいのです。どうか。どうか。
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4 :
市丸ギン
2013/05/04(土)21:16:03
嘘
そういえば、嘘吐きめと憎む心は微塵も無かった。
多少はあっても不思議やあらへん結末やったのにも関わらず。
足を縛るような約束事を交わしてへんかったからか、はたまたただ単に信頼なんぞしてへんかったからか。もしかしたら惚れた弱みかも知れへんなァ・なんて。
遠く遠くに過ぎてしもた記憶や、もう思い出せへんけども。
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5 :
浦原喜助
2013/05/04(土)21:18:13
残
形見とか、頂いた物とか。
縁が切れたら全部棄てちゃうんスよ、アタシ。
引き摺りたくなくても引き摺ってしまう此の性分。
一つ一つが弱みとなって歩けなくなっちゃうんです。
物に罪は無い、贈った主にも勿論。
此の軟弱な心がイケないんです。ハイ。
折角の好意を無駄にするのかって仰る方もいらっしゃるんでしょうけどね、
此方が引き摺ると、困るの彼方さんでしょう。
御友達にしても恋仲にしても、最後まで困った顔なんて見たくない、から。
そんな理由、綺麗事ッスかねぇ。あはは。
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