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3462.歌詠み兎
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雛森桃
2020/06/13(土)23:15:48
それとなく伝えていたつもりだったけど、
ちゃんと言葉にしてなかったかも。
そんなことが結構あったんじゃないかな。
だってあたしは、あなたと結ばれてとても浮かれていたから。
所謂この世界、こうして言葉のみで遣り取りをする世界に来たのはここが初めてだったの。
見様見真似で言葉を手繰り、一期一会の出会いに触れる。
この場所で経験するもの全てがあたしにとって初めてのことだった。
雑談するのも、人が多くて溺れそうになるドキドキも。
誰かの心の奥底に触れて、その人の一番になりたいって思うのも。
あなたは多くは語らなかったけど、きっと過去に愛した人も大切に思うお友達も多かったんだと思う。
妬きもちを妬かないわけではなかったけど、子どもじみた自分の気持ちに目を背けて見ないようにしていた。
勿論、あなたからの愛を疑ってた訳でもない。
ただ、圧倒的にあたしには経験が足りなかった。
尊重と遠慮の境界線。
心配をかけまいとする『大丈夫』の言葉の裏を疑う気持ち。
例えば過去に愛する人がいて、
その経験を活かすことができたらもっと違っていた?
――ううん、やっぱり違うかな。
上手くいかなくっても、不器用でもいい。
あたしの初めては、全部あなたとの思い出でいい。
初めて想いが通じ合った夜も、
配慮が足りずにすれ違ったことも、
手を繋いで帰ったことも、
恋が、愛が終わってしまったことも。
悲しくて辛くなってしまうことも全部、
大切に抱えて生きていくから。
あなたとの出会いを後悔したことなんてないの。
ただ、知らないうちにあなたを傷つけていることだけは、
やだなぁって思う。
最後まであたしのことを大切に、気遣ってくれたあなた。
>貴方は私の一生もの
2020.06.20
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