「……も、解禁してもいいの?か?」 12時過ぎた頃に声が聞こえて飛び起きた。 ずっと声が聞きたかったし恋しかった。会いたくてしょうがなかった。この2週間は我ながら依存度ヤベェって自覚せざるを得ねえレベルで我慢の日々だった。 もしかしたら帰って来ねえかも知んねえ、帰って来ても冷めてるかも知んねえ、なんて不安が少しもなかった訳じゃねえ。刻一刻と待つ時間が増えるたびにじわじわ不安と禁断症状が蓄積されてった。 夜もつまらねえし楽しくねえ。楽しい事してるつもりでもなんか身が入らねえ。ちょっと気が紛れたかと思ったらアイツは今何してんのかとかすぐそっちに意識が奪われる。会えねえってだけでこんなに翻弄される自分に笑うしかねえ。 一人で寝る布団がさみい。自分の体温で最高にほかってるはずなのにさみい。腕が抱き締める物を求めて心許ない。自分ん家だから当然アイツの匂いもねえ。寂しいってなった。 提案されて一回はヤダっつった。ただアイツが余程疲れてんなら、連絡が義務になるぐらいなら休んだ方がいいと思って渋々乗った。土日もどうせ死んだように寝るだろーし、心置きなく休めるように週末も会わねえっつった。そしたら負けず嫌いなアイツを触発する形で2週間離れる事になっちまった。たった2週間、ヨユーヨユー。 そう思ったのはその日だけで、次の日になったら余裕じゃねーわふざけんなってムカついてた。アイツが日記こそこそ隠したのも更にムカついてた。 スゲェ我慢した。スッゲー我慢した。 夜更かしする楽しみがなくなったから早寝になって、でももしかしたらアイツから連絡が入るかも知んねえってマナーモード解除したまま眠って。(このマナーモードの意味わかるだろ。想像通りの体勢は取ってた) うとうとしてたら22日になりたてで冒頭の声が聞こえた。飛び起きる以外の選択肢ねーだろ。 離れた間に感じてた不安なんざ杞憂でしかなかったよな。アイツもオレと同じこと考えて感じてた。やたら書き込まれてた日記読んで笑っちまった。バァカ。 好きでしかねーわ。好きでしょうがねえ。 我慢した結果起こった変化は、ただでさえ際限なく溢れてる好きだっつー感情が更に増幅しただけだった。 |