日に日に筆が重たくなっていくし、今はもうなんか、何を書けばええのか分からんようになって、書き出すのに昔の倍の時間がかかる。まぁ1冊目も含めたらもう……何年？3年？とかやろ。そら書くことにも熱量にも変化は出てくるわけで。俺自身も俺の周りの人間も変わっていく。変わり果てたあの子の姿に動揺した。でも当然なんよな。向き合わないように逃げ続けたのは俺なんやから、知らんうちに変わってるのは当たり前。あんなに、恋に熱心な子やったんやな。
子犬の首輪を外した。外に逃がした。俺の身勝手な理由で。いや、まぁ遡ればね、あいつにだって理由はあるよ。1年ちょい一緒にいて文句がないわけないやん。傷つけられだってしたし、それを未だにひきずってる。でも、決定的な理由は俺の問題。幸せが幸せじゃなくなって、話すのがしんどくて、そばにいられないって思った。不誠実だから、なんてあたかも相手を思いやったような言い訳は全部自分を正当化するためのもので、後悔しない、と言ったくせにずっとずっと罪悪感に苛まれてふとした瞬間に苦しくなる。苦しくなる資格なんかないのに。笑顔で、幸せだった！って、別れてくれたあいつは、今も笑顔で過ごしてるんやろか。泣いてへんかな、落ち込んどるかな。いややな、あんな真っ直ぐなやつを泣かすなんて、わらってて、くれとるかな。もう二度と会わんように、もう二度と、お前の人生を踏み荒らさないように。でも出会ったあの場所がまだ消せないでいる。未練タラタラで気色悪い。早く消してやらんと、お前の気持ちを無下にはしたくない。ごめんな、愛してたよ。本当に幸せやった、