酷く穏やかな日々を送っていると思う。あいつと一緒に住んでいて、ティナリには風スライムみたいだねと言われるくらい穏やかという言葉とはかけ離れていると僕ですら思うくらいだ。然し、事実とある日を境にあいつの態度が柔らかくなったのも相俟って、何というか……甘やかされる日々を送っている。……はは、あいつが僕を甘やかす何て何事かと思うだろう。でも言葉通りなんだ。僕はあいつに、アルハイゼンにとても甘やかされている。僕は基本的に好意を隠さず伝える方だと自負しているけれど、それを相手がどう受け取るかは余り気にしない。だから今回も流されるだろうと思って伝えた好意をあいつは「俺のことを落としたい、という事で間違いないか?」と真正面から聞いてきた。その時の僕はもう頭を抱えて、なんて答えようかかなり悩んだんだ。僕が放った言葉をあいつは駆け引きの言葉だと捉えずに、真正面に受け入れてそんな言葉を投げかけて来るんだ。そりゃあ頭も抱えたくなるだろう!だから僕は狡いと思いつつも、あいつに「確かに君に好意は持っている。じゃあ君はどうしたい?」と言ったんだ。返ってきた言葉は至極シンプルで「時間が欲しい」の一言。その時僕は、「ああ、振られたんだな」と思ったけれど、よくよく話を聞いてみるとそうではなく、「想う気持ちは同じだけど、もっと君の事が知りたい」と。
僕の事は一目見た時からあいつは僕を好ましく思っていたらしく、時折僕が寝惚けていたり変な事を言っていたりするのをあいつは好ましいと思ってみていたらしい。好意、という言葉には様々な種類があって言語化するのは難しいだろう?それでも僕はあいつにそれなりに気に入られていると自覚はしていたんだ。人の好意を中々信じられない僕が、だぞ。それくらいあいつは僕に言葉を尽くしてくれた。僕が好かれているんだな、と思うくらいには。でも、先程も言った通り好意には様々な物がある。だから、あいつから受け取った言葉は精々僕が話相手として気に入られている、と思ったくらいで僕もそれ以上は望もうとしなかった。でもあんな風に訊かれたら僕も応えるしかなくて、結果時間が欲しいと言われてしまったけれど、あいつにはあいつなりの気持ちがあってそう伝えたらしい。「確かに俺も君を好いている。然し君の事は良く知っているとは言い難い。故に、もっと自然体の君を見せて欲しい」と。気の知れた友人ならばともかく、好意がある相手に見せる自然体の姿というのは往々にして難しい。何故なら好きな人相手には良く見せようとしてしまうのは人間の性ではあるからね。それにあいつの過去の恋愛遍歴を聞いた時に「高嶺の花みたいな人だった」と言っていたから、「僕は高嶺の花みたいにはきっとなれない」と言ったらあいつ、なんて言ったと思う?「酒を後輩の金でツケている先輩を今更高嶺の花だと思えるはずがないだろう」だってさ!本当に僕の事が好きなのか?と疑ったよ。そしたら「君は君のままでいてくれたらそれでいい。俺は君自身に興味があって、そして好ましく見ている」と。殴られたと思ったら急に優しくされて僕の心情はめちゃくちゃ。
そこからアルハイゼンのやつは妙に素直で、一緒に映画を観た時に出てきた観葉植物に関して「僕も君の名前をつけて植物を育てようかな。植物は可愛いし。」と言ったら「俺よりも可愛いのか?」なんて聞いてきて、自称文弱の癖して筋肉だるまの可愛くない筈の後輩が凄く可愛く見えてしまって、「君の方が可愛いよ……」と素直に言ってしまった。悔しい。
インプットの期間だな、としみじみ思う。
様々な事が起きる世の中で、僕は置いてけぼりで。それでも微かな縁を辿ってこうして言葉にしている。この数日間で沢山笑ったり泣いたりして、我ながら健康に過ごしてるなって思うんすよ。だってそうじゃない?泣く事も笑う事も、それ程までに感情を揺るがす何かがあった訳で、僕はそれを手折らない様に大事に仕舞ってる。誰かが「相手は自分の事を見ていなかったし好きじゃなかった」って言葉を見て、なんだか少しだけ肩の荷が降りたんよな。
僕はずっと君の憧れで好きで、友達でもなんでも好きな君の隣に居られればそれでよかった。……なんて、もう届かない言葉だろうけど、一つのお願い事。言霊はあるって君は言ったでしょ。だから僕が願う言霊は、またいつか君と仲直りして、気軽に遊ぶようなちゃんとしたお友達になれればいいなって思うんだよな。
それはそれとして、今月の僕は出会いの季節らしく自ら行動を起こせば良い縁と巡り会うのだと。遂に僕にも春が来るのかとわくわくしておりますが、如何せんインプットの時期なのでぼおっと世界の外を見守っているだけになってるんよな。遂に渋谷ハルにも春が来るのか。乞うご期待です。春だけにってか?ガハハ。
久々にチーズインハンバーグライスで集まった話。
チーズは僕でハンバーグはふわっち、って所迄は決まってるんだけど、いかんせん名付け親である葛葉は何か決まってないから勝手にライスにしちゃった。でもチーズインハンバーグでパンやサラダを頼む様な人いる!?今更カロリーに日和ってる奴いねえよなあ!って事でデブのマイキーの複線も回収しますと。今日の叶さんは優秀やね。
久々に三人で集まって話した事は今まで起こった事……なんて事はなく、ただ今僕が原神にハマってるからそれを実況して大笑いしたり……という平和具合。水のアヒルに追いかけられる葛葉(ディルック)をみて引き攣る程笑ったんだけど、今ほど配信して切り抜きが上がらない事を呪った事は無いね。本人は平然と「もう死ぬわ」しか言わんし、僕もスキル回ってないから助けられないしで大爆笑。ふわっちは原神しないの?って聞いたら「飛べる事を知らない」って答えが帰ってきて、ただスペースキーを押すだけやんと一人でツボってたんだけど、あの二人この会話を毎度平然とやってるってマジ?久々に話に行ったけど笑い過ぎて頬が引き攣って今でも痛いよ。また近々でもチーズインハンバーグのライスセットで話すことがあれば良いな。
この半年間かな〜……、色んな人と話して色んな人と出会ったり別れたりを繰り返してきたけど、僕の手元には決して僕がきっと何をしても揺るがない絆がある人達が身近にいたのを痛感した。おかしいね、配信やツイッターで存在は毎日確認してるのに、たかが通話ひとつする事で盤石なものである事を再確認するなんて。みんなも刹那の絆を求めるんじゃなくて、この人とならずっと友達でいれるって人は作っておいた方がいいぞ。時間は掛かるけどいつかそこが心の拠り所になるから。
遅くなったけど、沢山心配してくれてありがとう。沢山気にかけてくれてありがとう。僕がいないところでも僕の話が上がるなんて話を聞くたびに、なんだかこそばゆくて笑っちゃうんよ。貰った暖かい気持ちをいつか二人に返せる様に、みんなでまたゆっくりはなそうな。結局身内ネタで終わるっていうオチ。おやすみ、ちゃんと寝なよ
のちへん
──ねえ、先輩。サーヴァントは眠らないのは常識ですが、電脳プログラムでありAIでもある私も決して眠りを必要としません。ですが、時折夢を見るのです。たかが保健室のAIが取り込めるはずもない100体以上のサーヴァントとサルベージした女神達が、代わる代わる脳裡にインプットされていく感覚。容量以上の物を複数も取り込むのはとても痛いけれど、貴方からいのちをもらったわたしにとってはノープロブレム。貴方が精一杯の言葉や笑顔でいっしょうにいてくれることだけでへっちゃらでした。
基本、最愛の人によって無惨にも裏切られた女神達の執着や復讐。これらが主に女神達の逸話となり、そしてそれが神話となす。けど、時折最愛の人と手を繋ぎ、頬を染め、キスをなんてこともする。そんな幸福な映像プログラムも流れてくるのです。
……私もね、先輩とずっと手を繋ぎたかったな。でも貴方は前に進むひと。決して停滞を望まないひと。私と貴方だけの箱庭じゃ、世界が狭過ぎたのでしょうか。
……大好きでした、先輩。さよなら、また今日に会いましょう……なんて。貴方はもう私が触れられないずっと遠くにいるのにね。
様々な夢を見る。
マスターである自分はサーヴァントに纏わる夢を見る事も多々あれば、電脳プログラム体とは言え記憶の整理は欠かせないのか、凛とラニが偶に支離滅裂な内容の夢を見せてくる……いや、もしかしたら自分が勝手に見てるだけで二人は関係がないのかもしれないけれど。
よく見る夢のひとつ。名も知らない大好きだと設定されてる人が自分を酷く振る夢。でも、その夢の自分は納得をしていて、自身が向ける感情はただのエゴでしかないことを思い知らされる。基本、両立しなければそれは愛情とは呼べない。その人に愛されたい何て言葉は、「愛」という言葉に相反するし、この感情を正しくいうのであれば「恋」なのだろう。あの人に好かれたい、愛されたい、なんて感情は他者を伴ってこそだからね。……自分は他者を愛するのが得意な性質だと何となしに自負しているんだ。しかし受取手がいなかったらこの行為や言動は無駄で、じゃあ誰のためになるのだろう。