ふと、改めて飾り棚を眺める。あの人とお揃いの香水、何年も前から置きっぱなしのドライフラワー、誕生日にもらった特注のスノードーム。
「男の部屋」としか言い表せない俺の部屋で、その空間だけが静寂としている。
心はとっくに限界だった。打ちひしがれてどうしようも無い自分を奮い立たせ、この関係に終止符を打とうと、それらしい理由を並べて見せれば、『うっしーがそういうなら』なんて受け入れられてしまった。いつものように食い下がるかと思った。今度こそ言いくるめられたりしないんだからと身構えていた。
貴方は俺を愛していなかったんだっけ。ああ、そういえばそうだった。
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