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┗3223.死ぬなら遠いどこかの海で(6-15/44)

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15 :shu3
2023/02/13(月) 13:03



死にたい夜にかぎって




気が触れそうな程の熱量が欲しい。肺の奥に指先を捩じ込んで、心臓を掌の中で握ってみる。握り潰さないように注意しながら、何度か握力を強めて、血液と体温と脈動が其処にあることを確かめる。俺にとっての倒錯の定義は目眩むような高揚より、そういう動作を淡々と繰り返すことに近い。むざむざと自覚がある。言い訳ばっか上手くなる。これの何が最悪って、自分自身で本心だと錯覚してる嘘なところ。最悪すぎるから誰も気づかんまま死んでいってほしい。
俺は俺みたいな奴とは死んでも付き合いたくないから俺の大事な人も恋人にしたくない。クソだもん。俺友達から俺みたいなやつと付き合ってる話聞いたらコンマの間も置かずに「殺せ」「別れろ」「記憶から消せ」って言いますね。いや、クソだもん、だって。


隠して暈すのクセんなってんな…ダメだなこれ一回やるとちょっと…、クセになってますね。でもさぁ…こんだけ隠してるとこまで態々読むってことはもう…それは絶対…読みたいヤツじゃん。俺の恥部見てえヤツじゃん、それは。そのくらいのね…気概のある人だけね。読んでもらえればいいんで。篩に掛けてます。散らしてるんで、君らを。変人奇人物好き煮詰めた精鋭だけ残したろうと思ってね…でもクセんなってんだろ?お前も…開いた上で暈されてんのが、サ…。あ…違う。違う、か…ハイ。そうすか…。



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14 :shu3
2023/02/12(日) 01:29



不可侵領域



過不足はない。何も。


冬の朝の冷たさのような、やさしい笑い方をする。足りないものはなにもなくて、充満する幸福が肺に満ちる。足りないものはなにもなくて、他人の指は塩の味がする。脳にある歯車が、視認できない程度に動きを鈍らせる。深く、暗く、冷たい夜の中でしか上手く呼吸ができない。線を撫でる。線を撫でる。線を撫でる。自分の首に巻かれたピアノ線を。あなたの心臓にはないこの線を。


頭の中の街を歩く。喉を引っ掻いたって血は出ない。俺の中にある街は、なぜかいつも冬の様相を呈している。


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13 :hacchi
2023/02/11(土) 16:22


ロマネ



お前が居なくても世界は回るし俺が居なくても隕石は降らない事に感慨を抱くには生きすぎている、筈なのに、未だ新鮮にそんなくだらない世の理が悲しかったりする。

幸せですか。お元気ですか。俺は今日も、今朝食べたパン屋のパンが冷めてても美味しかった程度のことで死ぬのをやめたりしています。



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12 :shu3
2023/02/10(金) 18:19


幸福論



「この人と幸せになりたい」という気持ちより「この人となら不幸でも構わない」という気持ちこそが愛だ、みたいなのあるじゃないですか。細部は覚えてませんけどなんかこんな感じの…あるでしょ。それって本当なんかな〜と思うんですよね。だって後者は相手が一緒にいても結局その状況を「不幸」だと思ってる事に変わりない訳で…一緒にいて不幸だなと思う人とそれでも共に過ごすのだって愛かもしんないすけど、どっちかっつーと情じゃない?それは…まあ情はめちゃくちゃ強い感情ですからそんだけつえー気持ちを抱ける人と居るんなら確かにええなあとも思いますが、でも「この人と幸せになりたい」より良いかっつーとウン〜…?てなるじゃない…ならん?なるんですよ俺は…「この人と幸せになりたい」には責任が伴うでしょ。相手が幸せであることに尽力する責任とか、自分が相手と幸せになることに努力する責任とかさ〜…そういうのが。幸せになりたいっていうのは人生においてめちゃくちゃ大事な願いなんだから、自分の幸せの定義の中にその人が居てほしいだとか、幸福を共有したいだとかって思える人と居るべきなんじゃないの〜…?とかね、思うわけですよ、俺なんかはね…。幸せでいてほしいじゃないですか。愛する人には。俺と不幸でいてほしい、なんて思えないですね。笑っててほしいです。恋はこの限りではないですけど。いやなんか真面目な話しちまったな〜…ア〜…上がっちまうかこれ、好感度…。


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11 :蘭たん
2023/02/09(木) 02:22


それでもいいよと言って




救われていることをお前は知らない。知らないだろうから伝えてみたら、嬉しそうに笑ってくれた。一拍のあと俺も笑い返してみる。俺とお前の一生交わらない部分を思った。どうかそのことに気づかないでほしい。

心臓の奥にある、細く硬質な線を撫でる。表面が少し切れて血が滲んだから、片手の中で指腹を擦り合わせて乾かした。可愛いね。可愛いよ。


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10 :hacchi
2023/02/07(火) 19:20


地下鉄の電波、三角の底




大した学も脳もないんだからせめていい奴に生まれたかった。自尊心も自己愛ももう要らないからもう少し全部のことに鈍くなりたい。世界にある情報を偏見の網で篩に掛けた上で常に10割感じ取って生きて良いことなんか何一つないだろう。本当に何一つないんだ。中途半端に感受性が高く無用な思想と正義感があるせいで人を嫌う体力さえ残っている。一人になりたい。独りにはなりたくない。

あなたの声が聞きたい。あなたの声が聴きたい。



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9 :shu3
2023/02/06(月) 12:50


無味無臭



-05:18
隠した上に暈すようなこと喋んなよって思いました?うるせえ…じゃあ聞くな。聞かなくていいんで…閉じてください、配信画面。…あ…言ってない?そんなこと言ってないか…、ハイ。スンマセン。スンマヘンなぁ!

-05:18
え?おいちょっと…、空、ちょっと明るくない?なぁ…俺に無断で明けんなよ、夜…。…今の台詞エコー効かせた方が良かった?そうか…、カッコよかったか。カッコ良くなっちゃうわな、意識してなくても。しませんけどね。エコーは…。

-12:39
いつの5時に書いたのかわからん、前の日記書いた後に書いたメモか?これ…覚えてない?誰か…。知らない?そう…俺も知らないです。

-12:41
ぼちぼち面白くなってきたんで、ていうか開く度に笑うから、どうしよっかな…、エ〜…でもおもろいしな。追々って事で。いいすか。気付くでしょ、これで。

-12:42
本棚に入れてもらってんの見てギョッとしました。いや〜…ありがとうございます。俺はもう薄ら笑いで開き直ってますけど、羞恥耐性のないhacchiサンとかはね…嬉しさと恥ずかしさで呻いてました。己の恥部曝け出したようなグロ記録なんで…。まあ、自分の為だ何だとごちゃごちゃ御託並べても、見てもらいたくなかったらこんな公然の場に来ないんでね。素直に有難いです。これからもよっぽど…暇な時に…オッサンの痛ェ独り言に触れて「自分もまだまだ捨てたもんじゃないな」と思いたい時にでもね…聴きにきてもらえたら嬉しいです。

-12:55
嬉しかったんで入れ返しさせて貰おうかと思って足を運ばせてもらったんですけど、よく見たらちょっと…あの、こんな可愛い女の子の日記を…オッサンの本棚に入れるのはちょっと…、え?捕まりません?俺…、職質案件じゃない?これ…って心配になったんで…、スンマセン。暫くこっそり覗かせて頂きます。…こっそりの方が気持ち悪ぃか…?うるさいわ!気持ち悪くねぇヨォ…!怪しいものじゃないです。違うんで…。



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8 :shu3
2023/02/05(日) 04:22



恋に似ても


救急車のサイレンが遠くの方で鳴っている。2時、コンビニで買ったチョコレートを摘んで、無意識の速度を保って包装紙を剥がす指先は乾燥していて、やわらかく、冷たそうに見える。あなたは多分、驚いて目を丸くしたあと、直ぐに笑ってゆるしてくれる。含羞む口角から覗く尖った歯の形まで鮮明に思い描けるから、俺はこの先の夜もずっと、その手を握るのをやめる。

馴染まない掌の温度も、夜の空の色も、あなたの孤独をつくるものなら俺は、知りたくはないんです。ずっと、其処に居てください。きっと笑って、許してください。

目を伏せて相槌を打つ。それを横目に覗き見て、あなたと俺とじゃ、此処じゃないところには行けないことだけがわかる。寄る辺を持たないその美しさが、真夜中のどんな青よりも好きだった。


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7 :shu3
2023/02/04(土) 21:47


一週間くらい目の奥がすげー痛くて、この…目が悪くなる予兆のバカクソ眼精疲労、前もあったな〜と思って怯えてます。ホットアイマスクで何とかなるんかな〜…今日からサボらずに毎晩つけるから全部を解決してくれんかな、アイツ…。仕事してても動画編集しててもスマホ弄っててもずっと眉間に皺が寄ってるから癖ついて今更真顔が顰めっ面になりそうなんですけど、この歳で人相変わったら死ぬまでそのツラで生きてかなきゃダメじゃない?40過ぎてから本当の性格がわかるってウチの親父が言ってたし…、実際その辺どうなんすか?すぎ…、…いやわかんないか、20代だもんなあの人。失礼しました。聞かなかったことにしてください。


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6 :hacchi
2023/02/03(金) 20:32


煌々と



こんなに悲しい歌を聴いて存在を思い出させてしまった俺は本当に、碌な恋人ではなかったんだろうと、今更思い起こしても全くなんの意味もない感慨を抱きつつ再生ボタンを止める。これは後悔とは違って、というのも、当時も俺はしっかりとあなたにとって自分が碌でもない恋人である自覚があり、その自覚の中で出来ること、出来得ることを全てやり尽くしたという自負があるからです。何を断言しとるんだ。人を幸せに出来なかったことに自負を持つな。

室内にいても手と鼻の先が冷たい。昔から暖房が苦手で、それこそ一人暮らしをしていても学生の頃なんかは滅多につけなかったんだけど、年々寒さに弱くなりそうも言ってられなくなった。この世に変わらないものがあるとしたら、俺の根底にある人間としてのくだらなさだけな気がしてくる。あとは全部変わる。変わるだろ。変わってんだ。

読み返すんじゃなかったな。思っていたより全部忘れてた。覚えてる幾つかの愛しさを、瓶に詰めて置いておくくらいが思い出の正しい用法だと分かっているのに。ちゃんと出来てたのにわざわざ開けて広げて一つ一つ手に取って眺めてしまった。孤独の前に記憶も真実も大した意味なんかないんだから、補正かけてなんぼだというに。
滅茶苦茶に引っ掻いた傷も引っ掻かれた傷も、あった気がしたんだけど。本当はお互いに与え合ったものなんて一つもなくて、アンタはただ俺の恋を欲しただけで、それを食べたがっただけで、嗚呼、何もこんな形でその意味をわからなくたっていいじゃないか。思い出さなきゃよかった。思い出さなきゃよかったな。大事にしたいと、本当に心から、思っていたんだけどな。



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