可能性
これを過去に見ている人がいればきっと理解するとは思いますが、ファウストにはこの天才的な頭脳を駆使してまで傍に置いておきたい人が居ます。この感情は感覚の麻痺や錯覚により起きることで、一般的には恋と呼ばれていますね。ファウストは一般的ではないので、恋と自覚するまでも恋人になるまでも時間がかかりました。ファウストの相手をする方も中々変わっているとは思いますし、よく選んだものだと思います。天才であり学者としての才能はありますが、だからといって寄り添いたい人物に見られるとは到底思っていませんでした。ファウストの自己分析ではこういった結果が得られなかったので、そういった対象としてみていると言われた時は驚きました。それでもファウストも人間ですので思うところはあります。恋愛対象として見られているとしても振る舞いは特に変えず、あまり深く考えていませんでしたので。それでも諦めなかった頑固者の勝利でしょう、結果私は手中に落ちたのですから。
……考えたことはありました、押しに負けたりだとか万が一手篭めにされたらだとか。でもファウストの想像を超えるくらい丁寧に扱われました、それはもう壊れ物を触る時以上に。
手放してはいけない、そんな人物だと思いました。きっとこれを見ているあなたもそう思うはず。そして相手もまた、ファウストを手放してはいけないと思っています。
ファウストはなんでも知っていますよ。