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43.アインザッツの銃声を(保存)
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14 :グ/ルッペ/ン・フ/ュー/ラー
2018/11/02(金) 12:51

「ふたりで」

2018/03/31(土) 04:54

クソほど眠いな。春眠ですね。暁を覚えずどころの話ではない。
どうもどうも、グルなんちゃらです。
桜が咲く頃にと思っていたのに、もうやや散ってきてしまっている。
散り際が好きだと奴は言っていたので、その時に渡すもまた風情があるものだろう、ということにしておく。

さて、期日が迫っている。自分で決めたんだがな。
書きたい話は日々出てくるもので、遅筆故に追いつかないのが歯痒いものだ。

今日は、ふたりで、の話。



前提をふたつほど話さねばならない。

まず先日、仲間のひとりが奴に対して「言葉を飲み込む人」という形容をしたのだが、実に言い得て妙だと感心した事からだ。
奴は普段からとても饒舌な奴ではあるが、反面、核心に迫る事や本心への詮索にはひどく臆病である。何かを乱す事の不利益をよく知り、慎重で穏やかさを重んじる人物だと言える。
そんな奴であるので、言葉を飲み込む人というのは奴の性格がよく表れていると俺は思う。

ひとつめの前提はそれである。
もうひとつの前提は、我々の関係性について。

私達は多人数で活動をするグループである。なので俺と奴は、ふたりの時とメンバーの前で居る時でそれぞれ違った雰囲気を持ち合わせている。
まあー…この日記がバレていなければ多分傍目から見て、俺たちがこのように甘い時間を共有している事はそうそう判らないんじゃないですかね。仲が良い仲間同士、くらいのノリで振舞っているつもりだ。

なので、俺達はふたりで話すことは多分にあれど、例えば丸一日をふたりだけで話して過ごす、ということはない。
メンバーと和気藹々と話しながら同時にふたりでも会話をする、というのが基本的なスタンスだ。

前提は以上。
つまるところ奴は言葉を飲み込む人であり、また普段から我/々メンバーとしての関係性も大いにあるというところだ。

さて、ここからが本題だ。

そんな奴がささやかに欲張る瞬間を俺はひどく嬉しく思うのだ。
実に控えめな、けれど素直な、愛おしさを滲ませた一言があった。

あれは桜の画像を送りあった流れだったか、もう満開だな、散ってきているほどだと話したその時のことだった。

奴は穏やかに笑いながら
#ふたりで花見したいなぁ、
と、そう言ったのだ。

…上手くポーカーフェイスで居られただろうか、俺は。
破顔しかけた表情を何とか保とうとしながら頷いたことなら覚えているのだが。

いつも仲間との調和を重んじようと振舞う奴が、
欲張る事は、変わる事は怖いとそう言う奴が、

ほんの少しだけ漏らしたその一言が、どれほど嬉しいものだったか。


なあ、これほどにお前の言葉は俺にとって嬉しいものなんだ。
怖い気持ちも、不利益も、俺にはよくよく理解できる。お前のそういう所を愛しいとも思う。
だがどうか、もしよかったら少しだけ心の片隅に留めてくれはしないだろうか。

お前の本音も独占欲も、俺には嬉しいだけなんだ。
心に桜色の花びらが吹き荒れるほどに、思考も儘ならなくなるほどに、嬉しいことなんだ。

それだけは、どうか信じていてくれないか。


――最早これは弾丸と呼べる勢いですらないが、
攻撃の一手には違いない。

想いを託した色とりどりの金平糖を奴の胸へそっと落として、今日は眠ろう。
本当ならば、硝子のようにきらめく奴の心の中、転がるそれをいつまでだって見ていたいけれど。



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