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43.アインザッツの銃声を(保存)
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グ/ルッペ/ン・フ/ュー/ラー
2018/11/30(金) 11:20
反撃の狼煙
2018/06/16(土) 23:31
黒い空に、赤い狼煙をみつけたあの日のことを書こう。
それにあたっては、私という人間の性質についてまず語らねばなるまい。
兎にも角にも好き嫌いが激しい。嫌いなものは触れたくもないレベルで毛嫌いするし、そうと認識したら頑固一徹、ちょっとやそっとじゃ覆らん。
反面、好きなものに関しては愛が強く一本気で、それをとびっきりに表現したくなってしまう。
だから抱えきれずにこうして零していたわけで、それを嫌がらずに受け取ってくれれば幸せだなあと、そんな風に思っているわけだ。
けれど奴ときたら、
なにがなんでもとばかりに、返してくるのだ。俺がぼろぼろ零すように放った、なんてことのない気持ちすらひとつ残さず拾って、全部打ち返して来やがるのだ。
今回もまた、それと同じ。
その日のうち、むしろ作成されて数時間経ったかくらいの頃に見つけました。
そんなあいつの事だから、俺がこうして日記で告白した以上はどっかで用意をしているんじゃないかと、そんな気持ちを込めて探し始めて――それは本当に、すぐのことでしたね。
用意されたその場を見つけて、
…どれほどに、舞い上がったことだろうか。
今まさに打ち返さんとばかりに小さく上がった赤い煙が、どれほどに、俺の心を救うものだったことだろうか。
昨日の今日みたいなもんやしな、とさして期待せずとりあえず探すか、くらいのものだったことがまさにその通りになって。
浮かれ切って毎日何度覗きに行ったか、もう数えきれない。
新しく書かれていなくとも、あいつの残した文章が俺には愛おしいばかりで、きっと冊子ならぼろぼろになっていただろうという程に読み返した。
そうして少しずつ重なって形になりゆく反撃の狼煙に、居ても立っても居られずに。
まっさらなテキストファイルの名前を「反撃の反撃」と題し、こっそりと書きためてしまった俺なのである。
まあその後、日記を見つけたことを察されて別の反撃を受け無事死亡した、という後日談があるのだが
それはまた別のページで話す事としよう。
立ち昇り混ざり合う狼煙の色は赤と黒。
不穏にも感じる色合いのそれは、けれど穏やかに細く、長く、
何処かの誰かに幸せを伝えるものだと、俺は確信している。
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