あの人を怒らせてしまった。理由がどうであれ、その事実が変わる事はないのだ。 本当は今日中にちゃんと向き合って、あの人の心を理解したかった。最後はごめんねと抱きしめたかったし、きっと苛つく自分をコントロール出来ない事へも不安になっていそうで、大丈夫だと抱き締めて背中を優しく撫でてあげたかった。 そうしたくても出来なかったのは、ぼくが今日一日元気のない日だったからだ。 タイミングが悪かったと言えばそれまでなのだろうけれど、自分のそんな感情を言い訳にしたくはないんだ。 ぼくなんかよりしんどく思っているはずのあの人の心を少しでも軽くしたかった。それの手助けがしたかったんだ。 …けれど、途中まで頑張ったのだけれど、頭が回らないせいで言葉を返すのも時間がかかってしまうし、結局何が言いたいのか分からない言葉になっている気がして口を閉ざしてしまったんだ。 後出しになるよりは全てを飲み込みたいと思うぼくだ。 その不甲斐なさが悔しくて涙が浮かびそうになったけれど、あの人の方が辛いはずだと奥歯を噛んだんだ。 明日にはぼくの頭もスッキリしているのだろうか。 その為に早く寝るべきなのだろうけれど、反省がしたくてつい会話を思い返してしまうんだ。 あの人との初めての喧嘩だ。 とても感情的だった。 そんなあの人の一面を漸く見られたからこそ、未来のぼくたちの為に頭と心を使いたい。 愛しているよ。 ♦ ♦ ♦ 今のぼくが側に居ても苛立たせてしまいそうで、ぼくはソファで寝る事にした。 寒さで風邪を引いてしまわないか、それだけが心配さ。 考えてもみれば、物凄く久しぶりにひとりで眠る気がするよ。 どんなに嫌な事があった日でも、嫌がる君を抱き締めていると眠れるものだから一日の最後は幸せな気分で終わる事が出来ていたなァと思う。 ぼくはつくづく幸せ者で、恵まれていたんだ。 やっぱりソファは硬いし、それでとても冷たい。 これはぼくに対しての戒めなんだ。 君には新しい相棒がいるから大丈夫。悪夢から守ってくれるはずさ。大丈夫だよ。 Jonathan Joestar |
深刻にまで考える必要なんてきっとないのだろうけれど、少しの不安要素がぼくの心に居座っている。 彼に伝えたい事があるんだ。 努力家なのはぼくの勝手で、その勝手のせいで喉に痞えを感じているだなんて身勝手なものだなァ。 今夜はこのまま集中をして論文に向かおう。静かな夜というものもたまには必要だもの。脳を別の事に使うんだ。 ♦ ♦ ♦ 幸せを沢山に感じてしまった後は、どうしても少し落ち込んでしまう。 その表現が正しくないことはわかっているのだけれど、いつも通り、がまるで雨の降る夜のような気持ちになるんだ。 普段通りの君も、冷たく感じる時の君も、ぼくをマヌケだとはしゃぐ君も、瞳の奥を光らせる君も、眠る前の柔らかな君も、ずっと愛おしい。 最近のぼくは少し調子に乗って揶揄ってしまうことが多いから、こうして落ち込んでいるときにどんな顔を見せればいいか分からなくなってしまっているよ。 恐らくだけれど、今のぼくがこうであったとしても、きっと君の顔を見れた途端にすっかり頭の中は君に逢えたという気持ちでいっぱいになるのだろうね。 だから、素直な気持ちだけ伝えるとするのなら、ぼくは君に会いたい。そして出来るなら、会って抱き締めたいと思う。 もしかすると君はぼくの太陽なのかも知れないや。 Jonathan Joestar |
ぼくが甘ちゃんなだけかも知れないけれど、普段は仲良くしている筈なのに、都合が悪くなると家から閉め出される子供や、突然上から考えた言葉で話し始める人を見ると何故なのだろうと不思議に思う。 外の空気が冷たいから、心も冷たくなってしまうのだろうか。 ぼくは、この体温が続く限り、温もりのある人間で在りたいと思う。 その為の体温だと、改めて心に刻んだんだ。 最近はとても忙しくて、食事もままならない日が多く続いている。片手で食べられる簡単なものがいいなと夕飯をサンドウィッチで済ませる日も多いのだけれど、運悪くドーナツで済ませてしまった日に限って口を滑らせてしまって、うっかりディオに言いつけられるところだったときは冷や汗をかいてしまった。 学期末に提出予定の論文は、今までの比にもならないくらいにしぶといんだ。レポート用紙が何枚もなくなってしまってこの間買い足したばかりなのに!と驚きさ。 こんなに長いものなんて目を通すのだって億劫だと思うのだから、教授がちゃんと全部に目を通すのか疑問だな。やれやれだ。 そのおかげで部屋に籠りっぱなしなものだから、友人どころか父さんたちやディオにだってあまりちゃんと顔を見せることが出来ていなくて、ぼくの存在を忘れられてしまわないかとても心配だね! 明日も早くからフィールドワークに行く事になっているので眠らなきゃいけないのだけれど、珍しくひとりでこの時間まで起きていたのでその記念に日記を書こうと思う。 明日の予定が少しでも早く終わればいいなァ。 ♦ ♦ ♦ この日記の、最初から2番目のページを書き直したいのだけれどなんて書くといいのだろう。 実を言うとあの人のことをなんて記したらいいのかを1番に悩んでいて、おまけに時間もないからつい。後回しにしてしまうんだ。 Jonathan Joestar |
よく眠った。 いやに眠気ばかりに襲われると思っていたら、それは頑張って身体が治しているからだと言われた。 そのおかげで身動きの取りやすくなったぼくは、今日は風が気持ちいいと評判のカフェを目指しているところだ。 馬車に揺られながら窓の外を眺めているのだって楽しくて、正直ぼくは今年甲斐もなくワクワクしているッ! 何か新しい発見や出会いがありますように。 フフ、晴れてよかったなァ。 Jonathan Joestar |
相変わらずぼくの研究心が止まらない。 自分史上見た事もないくらいのレポート用紙の束が出来上がっているというのに、未だに突き詰めたい箇所は沢山なんだ。 教授に提出する前にひと通り目を通して手直しをしたいとは思っているのだけれど、こんなにあるんじゃ草臥れてしまうだろうな。やれやれだ。 昨日の夜なんて、紐解く事で見えてきた歴史が悲しいもので、こんな事!酷いや!とひとり書庫で泣いてしまった。 その事を学友に話してみたら同感を得られて有難いと感じたのと、その労いで頂いたクッキーが美味しくてつい喜んでいたら、君の心は芝スキーのようだと揶揄われてしまったよ。 さて、休憩もこの辺にしてまた研究を再開するとしよう。何処かで一旦切りを付けて一日丸っと開けられる日を作りたい。 約束をした文献に目を通す時間も作らなくちゃあな。早く彼と感想を語り合わなくちゃ。 ♦ ♦ ♦ 今日は顔を見れるだろうか。 今日は会話が出来るだろうか。 そんな風に窓の外を眺める時間すら愛おしい。 慕うばかりじゃあその横には居座れないのだろうけれど、今は2人の時間やその人を見つめている時間すら愛おしく感じられるんだ。 ♦ ♦ ♦ 実を言うと、ラグビーの試合中に両腕を負傷してしまって、今日で2日目だ。 そのせいでペンが上手く持てなくてね。変な持ち方になってしまっていたせいか中指まで痛み始めて明日からの授業はどうしたものだろうかと悩んでしまっているんだ。 ああ、もちろんサボりなんてしないよ。両腕が使えなくても話は聞けるからね。 とはいえ…座って聞いているだけってのも退屈さ。 今夜だって夜は酷使をやめようと論文には手を付けずにいたのだけれど、頭では考えてばかりで、それのメモも取れないものだからひとりで拗ねてしまったんだ。 仕方なく父さんの部屋からレコードを頂戴して音楽に耳を傾けて時間を過ごしたさ。 今も痛みを感じているクセに日記を書いているのだから、これが知れたら笑い者だろうな。 眠気はあるのに、痛みがじんと伝わってくるので上手く眠れない…。人間なのだから仕方ないとしても、もう少し鍛えなくてはいけないみたいだ。 明日はもう少し良くなっていてほしいなァ。 Jonathan Joestar |