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1972.Corpse Reviver【〆】
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黒沼アラヒト
2021/01/30(土) 18:00
たまには本編軸の話でもしてみるか。
- ep.01 『王子のキッチン』-──これは物語の開始前。(…なんて書くと些かメタだが。)
そう、酒場で待ち合わせたあの街に入る前日譚だ。ヨルクちゃんが、あのダッセェ初期装備着てた頃のな。
こいつ、お坊ちゃんのくせになんだってはじまりの勇者みたいなコーデなの?腰に下げた紋章入りの剣と、背負った弓だけが存在感を放っていた。旅装にしたって他にもっとこう、それらしいのがあっただろうに。そんなdisを胸に街道を下る。
途中、襲ってきた盗賊パーティ。術士の女にちょっかいを出しながら戦ってたら、あの恐ろしい魔法──チャームを食らった。ちなみに2度目。
ヨルクちゃんやイルメラの術に比べりゃ可愛らしいもんだとはいえ、当時の俺には脅威だったね。
ま、すぐさま解呪したけどな。ヨルクちゃんが。
その日は夜営で、いつものようにあいつが飯を作ってくれた。鶏(だと思いたい肉)とキノコの入ったチーズリゾット。
実のところ、料理なら俺もそこそこ得意だ。が、あいつの飯が食いたいがため、専ら任せきりである。
ヨルクちゃんの飯は全般的にうまい。中でも俺が好きなメニュー、3位はこのリゾット。2位、兎肉のシチュー。1位をたまごサンドとするのに論議の余地はないだろう。
それからもうひとつ。二日酔いの朝に、どーーーしても味噌汁が食いたいって駄々こねたら作ってくれた、アサリの味噌汁ウィリディス風。
つっても味噌がなかったから、似たようなペースト状の調味料使ったスープだったけど。
あれは審査員特別賞で決まりだな。
あいつが料理してる姿を眺めるのが好きだ。
俺よりも少しばかり小さい手が、こなれた様子で食材を刻んで、おたまを回して、皿に盛って。できたぞ、って渡してくれる。
うまい、って伝えると、満足げに。ちょっと嬉しそうに弧を描く唇。
伏し目がちで食事をするあいつを見るのも存外、退屈しない。普段は品よく食べるくせ、機嫌損ねてる時は荒っぽくなったりさ。
残念ながら、最近は店で食うことが多い。
…そーだなあ。あいつの飯が食えるなら。また夜営するのも吝かじゃねぇ…かも?
#戦場における衣類はこと消耗品であるからして、いかに王族といえど質素倹約に努めるべきである。そもそも王は飾りではな(略)#料理できたのか…。いや、知ってるぞ?女性にキャーキャー言われる目的で会得したそれだということを。ハッ!まさか筋トレも…#鶏はおおかたアレで、海老はだいたいソレだ。(聞き流し)…ふんふん、なるほどなあ。ま、とにかくさ。もうちょっと王子様っぽい服着なよ。アンタの衣装が汚れないように頑張って守るから、な?
御名答。料理ができる男はモテるし、鍛えてる男も然り、だろ?今度、いつもの礼にヨルクちゃんの好きなもん作ってやるよ。
アレかあ……。勘弁してくれ。目に見えたものを信じるにも限界ってやつがある。
あ、でも。アンタが蛙捕まえてる姿はかわいい。
#……、…ああ。早く俺より強くなれよ。#(やや不服そうな顔をして)じゃあ、次の機会には日本っぽいものを振舞ってくれ。#兎とガマとなにが違うってんだ。腹に入れば同じだろう。#(戦場での士気向上および体作りが目的で習得した料理だが、やはり覚えておいて損はなかった。疲労に満ちたこいつの顔が、俺の飯を口にした瞬間、幸せそうに解けていく。それに途方もなく満たされるんだ。……こんど蛙捕らせよう)[
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