※必読規約
※文字色一覧
□white
□white2
□white3
■Black
日記作成(表紙)には
【 使用C名をフルネーム(作品名) 】
を使用してください。
【
!
】サイト移転・規約改正のお知らせ
※
一度上部の※必読規約からトップページへ目を通してくださいますようお願い致します。
スレ一覧
┗
2169.英雄はうまく笑いたい【保存】
┗2
2
:
光/の/戦/士(最/終/幻/想/1/4)
2021/10/26(火) 00:15
オレ
AuRa Xaela♂ 詩/
暗
/園
幻想中毒。三度の飯よりミラプリ。撮影班。
番(仮名:Stella)
Midlanders♂ 侍/竜/リ
戦闘好き。気が付くと放浪している。
馴れ初め話
>>13
[
返信
][
削除
][
編集
]
Permalink:
[
戻る
][
設定
]
WHOCARES.JP
13
:
光/の/戦/士(最/終/幻/想/1/4)
2021/11/22(月) 22:06
#不意に時間が空いたので。
馴れ初めという程でもないが、オレと番の大層ろくでもない過去を語ろうと思う。気が向いたんだ。オレにもそういう気分の時はある。
◇◇◇
オレの方が強いて言うなら『先輩』に当たるんだろう。同業者は数知れず、道を歩けば誰かしら引っ掛かるこの世界で、番が――この時はまだ番ではないが便宜上番と表記させてくれ――オレの前に姿を表したのは、丁度一年前の夏も盛りを過ぎた頃だったと記憶している。
あの頃アイツは髭を生やしていなくて、長い髪を後ろで三編みに括っていて。オレと違って小さくて、華奢な種族で。まあ。言わせるなよ。女の子と勘違いしたんだ。だって別の種族のオスとメスの区別なんかそうそう見た目でわかるかよ! 確かに随分可哀想なくらいに貧乳だなとは思ったが!
何を隠そうオレは新人食いが趣味で、いや無論新人じゃなくても食うけど、とにかくあの日は番に狙いを定めた。あの森の、カフェのカウンターで真面目そうに案内人から話を聞いているアイツの横顔が随分幼く、愛らしく見えたんだ。目の錯覚だな。
案内してやろうか、お嬢さん。
オレはだいたいそんな旨の言葉を掛けた。アイツは目を丸くしていたが、お嬢さんという言葉を否定しなかった。どうして否定してくれなかったんだ。
>オレの事か?
他に誰が?
>そうだな。じゃあお願いしよう。
名前を名乗り合った時点でもオレは自らの過ちに気付かなかった。他の種族の命名規則なぞは知らん。オレ自身偽名を名乗っている分、他人の呼び名に興味がなかったというのもある。
それからオレは何も気付かぬまま同業者としてよちよち歩きを始めたばかりの番の面倒を一通り見て、アイツが途方もない悪癖を抱えているのを察し、アイツ自身の天賦の才能に舌を巻き、最終的にまた街まで戻ってきた。どうしてかって? 野暮だな、宿がなければ始まらんだろう。外でやるのは趣味じゃない。酒場に寄って食事をし、いい感じに双方酒が回った頃合いにオレは切り出した。
部屋を取ってあるんだが。
>いいぜ。
続きを言う前に、案外早く返事が来た。オレは拍子抜けして尋ねた。いいのか? と。それまでの話から察するに田舎出身の奥手な子だと思っていたが、思っていたよりは遊び慣れている反応に思えた。願ったり叶ったりだ。話が進むのは歓迎だ。ここで何かを察していれば、あんな心の傷を負わないで済んだのにな。
>先に風呂に入っていいか?
どうぞ、ごゆっくり。
用意していた部屋にアイツを招いて、水音が部屋の扉一枚挟んだところから聞こえてくるのをオレは待ち侘びるような気持ちで聞いていた。聞き分けが良くて腕も良い、顔もかなり好みだった。正直なところ、かなり……そう、タイプだったんだと思う。そうして暫くして、風呂場の扉が開いて、
>なあ、タオルってどこに置いてあるんだ?
オマエ、オスかよ!!
◇◇◇
あの時間違えずにいたら、今こうはなっていなかっただろうなぁ。あれからあれよあれよと腕前を伸ばした番はオレなんぞをひょいと飛び越して、今ではオレの方が『後輩』だ。
何故この男と結婚するまでに至ったか、それはまた改めて気の向いた時に話すとしよう。今日はここまで。