「こんな時間に電話をしてくるなんて……何の用かね。 君、忙しいのでは?」 #「――――!」 「暇な筈がないだろう。 ……待て。その背後の騒がしさ……どうして日本に居るのかね!?」 #「――――」 「何も当たり前ではないのだよ。 君、君はノミネートされていないとでも?」 #「――――」 「『そんな大層なものではない』? ああっ!みっともなく自分を卑下するものではないのだよ! あれでも演劇の体を成していない状態から、 まぁ観れる素人劇団程度にはなったのだから!」 #「――――」 「はぁ……?『それでノミネートされているほうがおかしい』と? 君はつくづく鈍いのだね。 それとも僕の評価があてにならないとでも言うのか。」 #「――――?」 「呆れた……君、それでも一応探偵なのだろう。 自分で推理してみてはどうかね。」 #「――――」 「兎に角、僕はこの件で七種某に連絡を試みるから君も…… チッ、空の向こうに逃げるなどとやり口が小狡いのだよ。 わかった。僕からは何も言わないよ。」 #「――――」 「納得をしていない分、今度のライブでは予算を潤沢に割いてもらおう。」 #「――――!!」 「構わないよ、君の出演作でそれに見合うだけの働きはしたのだからね!」 #「――――」 「そうと決まれば忙しくなるね。 それではまたゆっくり相談しよう。では。」 #「――!?」 |