結局のところ、インプリンティングだ。刻印づけ。 彼の脳へ一番最初に鮮烈に焼きついたものが僕だった というだけの話だろう。 ああ、わかっている。僕は恋をされている。 それを否定はしないよ、影片。 けれど、きっかけはそこだ。 ほんとうに小さなひとつの恩を、後生大事に抱えこんで 一緒に沈みゆくような真似をする必要はないのにね。 でも鴉はくだらない、ゴミのようなものでも、 きらきら輝いているものが好きだから。 彼にとっては、つまりそういうものなのだろう。 僕としては、 僕が掬いあげた君が大空へ羽ばたいていくのを見られる そんな日がくればいいと思っているのだけれど。 2020/0108 |