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┗693.幕間(79-83/153)
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83 :
空_閑_愁(高_校_星_歌_劇)
2019/01/06(日) 00:02
俺の好きな奴は女に良くモテる。良くモテる?多分、良くモテる。
最近少しだけ理由が分かる気がしてきた。雑だ雑だと笑う反面、アイツが如何に世話焼きで面倒見の良い優しい奴かってのを日々思い知っているからだ。時折見せる顔は俺なんかよりも大人びていて、不覚だがカッコいいとすら感じる。
手離すことなんか出来そうにねぇ、今年も、来年も、その先も。
アイツに見合う良い男、って奴にならねぇと合わせる顔がその内無くなっちまう。
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82 :
空_閑_愁(高_校_星_歌_劇)
2019/01/03(木) 00:11
腹の底から好きだと思う。愛しいと思う。顔を見合わせれば、悪態も吐くし雑に俺をあしらう事すら日常茶飯事な目の前の腐れ縁をこれでもかと言うほど、愛している。
眠った顔は幼い。その平たい胸が寝息と共に上下するのをじっと眺めている夜が割と好きなんだ。腕の中で今日もコイツが生きているんだと実感出来る。俺と一緒に、同じ時を生きていてくれていることが幸せでならない。
丸い頬に唇をそっと当てて、目を閉じて考える。どれだけ伝わっているんだろう、俺の中に毎日湧き上がり続けてるこの想いは。お前が思うよりもうんとたくさんで、目に見えたなら引いちまうかも知れねぇなって笑ってる。
おやすみ、あいしてる。
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81 :
空_閑_愁(高_校_星_歌_劇)
2019/01/02(水) 21:57
親戚付き合いが頻繁な訳でもねぇ俺んちの正月は割と常と変わらない通常運転で過ぎる。お袋の仕事納めは大晦日だったし、元旦だけは勤め先も休みだってんで一日一緒に過ごして今日はまた朝から元気に仕事初めだって出て行った。文句や愚痴を言わないひとだから心配になるが、おっとりしている割にアクティブで家に籠るより仕事をしている方が活き活きとして見える。案外タフなんだよな、流石俺を産んだだけはある…。
そんな俺の家だから、当然立派な御節なんて用意する習慣もねぇ。ちょっとした惣菜と餅位は買ってあるが、伊達巻だ田作りだ栗きんとんだ、そんな類は用意しない。そもそも甘いもんばっかで飯食えねぇから、唐揚げだとかそんなもんのが正直嬉しい。風情はねぇが、食いたいもんを食う方が同じ金を払うのでも幸福度が違ってくるだろ?って、お袋に言ったら鈴を転がした様に笑ってくれた。それだけで充分、幸せだと思えるんだから今年も空閑家は安泰だな。親父もきっと空の上で安心してんだろ。俺の事は自分で何とか出来っから、母さんの事だけちゃんと見守っていてくれよって初詣で願った事すらちょっと前の記憶に感じる…が、確か昨日のことだ。休みボケ、やべぇな。
ま、こんな感じで今年も変わらず生きていくんだろう。そうは言っても春には進級を控えていて、俺たちにとっては高校生活最後の一年となるのも確かな話だ。悔いは無い様に、しっかり目指すべき道を踏み締めて夢に向かって行かなくちゃな。
謹賀新年、今年もよろしくお願いします。
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80 :
虎__石_和_泉(高_校_星_歌_劇)
2018/12/27(木) 01:07
後戻りする気なんかねぇから、前しか向かないって決めた。来た道が二度と分かんなくなるように、わざとジグザグと歩いて来た。
振り返る事はしない。そこに本当のオレは居ないから。
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79 :
空_閑_愁(高_校_星_歌_劇)
2018/12/26(水) 16:40
クリスマスになるとカップルや親子連れで街が賑わう。いつもは暗く街灯だけがぼんやりと浮かぶだけのバイト帰りの道も、家庭で楽しむ小規模なイルミネーション何かで眩く飾られていて、家の明かりもまだどこも消えてはいない。子供たちのはしゃぐ声を聞きながらバイクで普段より少しだけゆっくりと走り抜けた。
この時期になると思い出す。昔、ガキの頃…まだ言って良い事悪い事の分別が曖昧だった時に「うちには父さんが居ないから、サンタはもう来ないかな」って聞いたこと。
多分クラスの奴にサンタは実は父親だ、なんて聞いたんだろう。何も悪いなんて思わず、ただ思った事を口にした。子供だった。俺の言葉を受けて、驚いたような悲しいような、でも強がって何かを堪えるような、そんな顔をしてそれからうんと優しい笑顔を浮かべて「そんなことは無い」と首を振った若い頃のお袋の姿は今も鮮明に覚えてる。
正直、不自由な暮らしだなんて思った事もない。充分に幸せで、満ち足りていた。お袋が必死に頑張ってそうしてくれていたから、俺は何一つつらいなんて思う事もなく育った。クリスマスは仕事を終えて、ケーキを手に帰ってくる母さんの帰りを待つのが楽しみだったし、一人で部屋を飾りつけるのだって楽しかった。拙い飾り付けだって、それを見て母さんの疲れた顔が一気に綻ぶのを知っているから…好きだった。
あの日の俺は母さんの表情の意図を汲むことも、汲めるはずもなくていつもより豪華な食事とケーキを腹いっぱいに食べて、笑って、少しだけ夜更かしなんかをしたりして眠りについた。俺が眠った後、彼女はどうして過ごしていたんだろう。あの日より少し大人になった俺は今ふとそんなことを考えてしまう。
朝起きれば枕元に綺麗な包みが置いてあって驚いた。中身は…俺が欲しがっていたスケッチブックに、色とりどりの色鉛筆。嬉しくて、でもどうして俺の枕元にあるのか分からなくて、でもやっぱり嬉しくて思わず母さんに「父さんがきてくれた」って飛びついたのも…覚えてる。「父さん、母さんにもプレゼントを置いて行ってくれた?」って問いかける俺を抱きしめてくれた腕の強さ。今も忘れてねぇんだ。あの時顔、見れなかったけど…きっと泣いていたんだろうなって。
俺はまだ子供で、母さんにして貰った事を返せる力もなにも足りてはいないけど…今度は俺が貴女を抱きしめるから。父さんが残した俺が貴女へのプレゼントだって言うなら、もっともっと立派な男になれるように成長していくから。どうか笑顔で、その時まで待って居て欲しい。
Merry Christmas.
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