※必読規約
※文字色一覧 □white □white2 □white3 ■black
日記作成(表紙)には
【 使用C名をフルネーム(作品名) 】を使用してください。
】サイト移転・規約改正のお知らせ 一度上部の※必読規約からトップページへ目を通してくださいますようお願い致します。

スレ一覧
2005.I cherish you!
 ┗125

125 :Mika.K(acanthe)
2022/04/01(金) 14:11

「さぁ、目を開けて。」
ーー……今までの記憶はない。だけれど知っている顔だ。頭の奥底で、心臓の中心で、指の先で、そのひとのやさしい声と頬のやわらかさを憶えている。
自分の名前は、

「…わからないの?ここがどこか、この僕が誰か。…そうだね、【君】は生まれたばかりだから、そうして戸惑ってしまうこともー……」
『お師さん?』

「…あぁ、ああ、そうだよ。そうだとも。よくできたね。自分の名前はわかる?」
…………。……。

「…どうしてだろうね、いつも名前だけが引き継がれない。上手くいかない。他は、完璧だと言うのに。どうして、…どうして、ーー……。」
泣かせてはいけない気がする。どうしてかはわからないし、本能的なものだ、きっと。それでも、目の前の【お師さん】を泣かせることは、許されないことだと、脳を揺さぶられているような、
『お師さん、泣かないで。おれがずっとずうっとそばにおるから、お師さん。』

「……ーー、君は優しいね。今までの子たちとおなじように。そう、全く…すべて、寸分違わず、おなじよう……僕に寄り添い、ずっとそばにいるから泣くなと、そう言ってくれる。今度こそ君を永遠にしよう。壊れないように、狂わないように、動かなくならないように、ー…永遠に。」
指先が触れる。あたたかい。目の前の人には体温があるのだと、当たり前のようなことを感じた。…当たり前?何故当たり前だと感じたのだろうか。自分の身体は、氷のように、冷たいと言うのに。

[削除][編集]



[戻る][設定]

WHOCARES.JP