左馬刻と過ごす連休三日目。俺はあと一日あるけど……左馬刻は今日までだから、俺も実質最終日みてぇなもんかな。あと一日は左馬刻と過ごした連休を振り返りながらゆっくり過ごす予定だ。最終日だしたまには真面目なことでも書くか。
左馬刻と盆休みを過ごすのは今回がはじめてだった。去年はすげえ忙しそうにしてたんだよな。あいつは祝日やら連休とあんま縁がねぇらしい。年末年始くらいか? まあ、普段いくら俺がかわいい呼ばわりしてても左馬刻は一歩外出りゃ立派な若頭だし、俺の前で苦悩の色を滲ませなくたってその立場は決して気楽なもんじゃねぇだろうし。忙しいのは重々理解はしてんだけどな。そんなあいつが嬉々として九連休のはなしをしてきたときは俺も喜んだっけ。
普段、俺らの時間は基本的には深夜から早朝。休日は休日で日中はお互い家の用事を片付けてっからさ。起きて一緒にメシ食う時間くらいはあるけど、まとまった時間は滅多に取れねぇんだよな。そういうわけだから、昼も夜もあいつと長く居られるこの連休は楽園みてぇなもんだ。いつもよりたくさんの量の言葉を交わしたし、いつもと違う時間を共にしたことで今まで見たことねぇ表情を垣間見れた気がして嬉しかった。過ぎる時間を惜しむ暇もなく、次の日も一緒に過ごせる喜びを噛み締めて……は〜……楽しかったな。永遠に続けばいいとも思った。あんたも同じことを思ってくれていたら嬉しい。
こういうのは年末年始までしばらくお預けか。寂しい気持ちもなくはねぇけど……最終日になって込み上げてきたのは、寂しさよりもこれからも毎日を左馬刻と過ごせることへの喜びだったんだよな。連休はあっという間だったが日常に戻っても何も変わらねえ。そう言って、左馬刻はいつもと同じ風に笑って俺にキスをくれた。くうう、やっぱ俺は左馬刻が大好きだ。俺のスイートマーメイドこと左馬刻は今年の夏も最高だし冷凍庫のハーゲンダッツもドロッドロに溶ける勢いだ。